black rose

�� five ページ7

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「Aさんですね。えと、その…可愛らしい声ですね…あっ、お、男の人だとはわかってますっ…で、でも可愛くて…羨ましいな…って…」
『ふふっ、ありがとうございます。ヘレナさん』
「…ずーるーいー！ヘレナちゃんばっかり優しくしてー！」

そこで反応するの…トレイシーさん。
別にただ嬉しかっただけなんだけど。
しかもこのヘレナさん。いかにも女の子で可愛らしいじゃんか。

『トレイシーさん…いや…その…ね？』
「ずるいー！それと呼び捨て！敬語禁止！おけ？」
『いや おけ？ じゃないんですよ…』

敬語と呼び捨てとか…無理だよ、はっきり言って。
まったく おけ じゃないんだよ。強引だなぁ…

「敬語使ったらA君の部屋の電気ぶち壊してやる」
『えっ…普通にやめて…？』
「じゃあ敬語抜きね？ね？ねぇ？」
『…う、うん。だからその嫌がらせをやめてくれ…』
「ふっふーん、元からする気ないけど」
『ないのか…まあ安心したけど』

つまりは脅しか。
トレイシーさんのノリではやりかねない。怖い。
いや下手にそこら辺の猛獣よりも怖いんだけど。
そして発想が怖い。
「ぶち壊してやる」って…女の子の使う言葉じゃない気が…
まあそこについては詳しくは触れないが。

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