black rose

�� force ページ6

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『いや…本当なんですけど』
「いやいやいや！お顔から声まで女の子じゃん！」

そう言いながら僕の胸辺りを触って、絶望的な顔をする。
いや、確かに女子らしいけどさ、わかるよね？

「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」

カヴィン？さんにいたってはもう…うめき声しか聞こえないのだが。
大丈夫か。精神病院行ったほうがいいぞ、お前ら。

『失礼すぎますよ』
「あぁ…ごめんね、A…くん？」
『大丈夫。よろしくね、トレイシーさん』
「うーん、男とわかっていても可愛い！」
『えぇ…』

いや…男とわかっていての「可愛い」は傷つくんだけど…
可愛い系男子とか要らないから、ほんと。
カッコいい系男子でありたい。
…髪切ろうかな。

「言っとくけど！髪切っちゃダメだからね！切ったら怒るからね！」
『え…良いじゃないですか、切っても』
「ダーメ！私が許さない！」
『切りたいんだけど』
「ダメだってば！」

先手を打たれた気分。
来る前に切っておけば良かった…
機械技師だっけ…トレイシーさん。
切ったら機械とかで嫌がらせされそう。
僕の部屋だけ電気が壊されるとか…
嫌だな。多分しないだろうけど。

『あれ…？カヴィンさんは…』
「カヴィンさんなら…えっと…部屋に戻って行きました…よ」
『そっか。ありがとね。…君は？』
「あぁっ…すみません。私はヘレナです…。ヘレナ・アダムスです」
『僕はA。A・フィーリア。よろしくお願いします』

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