心と向き合えたなら ページ48
やがて皆は離れを出ていった、言葉を投げ掛けるより、自らで考えて納得するのが大事なことだからだーー
一期「…」
三日「…本当は…あの日から気付いていた…」
一期「…三日月殿？」
三日「審神者が来た日だ…あの日、俺の本体である刀はあの女を貫いた。避けることも薙ぐことも出来たのに、“友達の友達を傷付けたくない”そんなことを言い放って、自らの身を痛めてまで他人である俺達の身を優先した」
一期「…っ」
三日「…馬鹿だと思った、散々呆れや詰りを繰り返した。…けれど、それをしたあとには必ず後悔のような重苦しいものが付いて回った…それなのにあの女は頭から消えてはくれなくて」
一期「私もです、最初は五虎退に秋田と…どちらかと言えば気の弱い弟をあえて指定し操っているのかと思っていました…けれど、全く違いました。彼らはあの方と関わることで何倍も強く逞しくなりました…」
三日「そうだな…お主に真っ向から言うようになった…」
一期「はい、それから少しして…今度は五虎退と秋田だけじゃなくて…弟たち皆があの方のもとに行きました。…そしたら、皆幸せそうに笑っていたんですっ…責任感が人一倍強い薬研も、スッキリしたように笑っていました…っ。解っていました、操れば…そんな顔は出来ないことくらいっ！」
三日「…俺の方もだ、今剣や小狐や石切、鶯や鶴まであの女を友達だと宣うようになった。でも、皆笑顔だったのだ…。昔の何もなかったあの頃のように、純粋に笑えていた…それが信じられなくて俺は拒絶したのだ…」
一期「何とも…恥ずかしいですな…年長者が最後とは」
三日「…全くだな…しかもこれから人間に説かれようと言うのだから尚更だ」
一期「明日…共に参りましょうか」
三日「そうだな、ふむ…困ったものだ、どんな表情をすればよいのか…」
一期「…そうですね、あの方は叱ってはくださらないようですから…何ともいたたまれないと言えばいたたまれないですが…」
三日「…屈託のない、笑みであったな」
一期「…えぇ、弟たちが暖かいと言っていたのを聞いたことがありますがその通りだと思います。…あのような笑顔のもとだったからこそ、弟たちも同じような笑顔を浮かべられるのだと」
三日「…本来ならば神である俺達が人間の陰を払うことはあるのだがな、人間が神の陰を払うなどと笑い話になりそうだ」
一期「…なれば、良いですな。長いときが過ぎて、そんなこともあったなと笑えるようになれば…それはとても幸せなことでしょう？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！私、逆ハー大好物なので嬉しいです！あと刀剣男士全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月8日 20時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 珀錏さん» おや…！じゃあ誰が…。まんばちゃんは天使、三日月(ギルティ)決定、一期ロイヤル…読んでいけば分かりますよね！ (2016年8月17日 21時) (レス) id: 0a055286aa (このIDを非表示/違反報告)
珀錏(プロフ) - 霞月さん» コメント有難うございます。楽しんでもらえて嬉しいです(*´ω｀*)最後の台詞解りました？！いやぁ、それがなにげに嬉しかったり…どの台詞が期待されているのやら…ふふふ、更新頑張ります(//∇//) (2016年8月17日 21時) (レス) id: 7363f9ebdb (このIDを非表示/違反報告)
霞月(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しみ読ませてもらってます！更新頑張って下さい！ ちなみに最後のセリフ、どれが誰か分かってしまった……末期だなww (2016年8月17日 21時) (レス) id: 9902b14f87 (このIDを非表示/違反報告)
珀錏(プロフ) - 夕月さん» 一期はロイヤルなので安心してくだされ←中は入るのは全然問題なし！ (2016年8月17日 21時) (レス) id: 7363f9ebdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珀錏 | 作者ホームページ：http://twitter.com/hakua422402
作成日時：2016年8月14日 1時
