猪と、 4/5修正 ページ7
「おいお前!」
あれから二日後。
刀のお手入れをしていると、猪の被り物をした男の子が現れた。
縁側に座っている私を中庭に引っ張る男の子。
『…なに?』
「強いのか?!」
『ま、アンタらの階級よりは上だから。』
刀を鞘にしまい、手入れ道具をおばあちゃんに返す。
すると、男の子はある程度の距離から私に突っ込んでくる。
…頭突き?
『うわ!…初対面に何すんだバカ!』
気が付いた時点で重心を下げる猪。
そのまま跳び箱の要領で飛び越えた。
そんな『ふんっ』てしただけで超人的に跳べるとかないからね。
跳ぶとしてもちゃんと助走つけないと無理だから。
「あ"?!バカっつったか女ァ!」
『言ったけど?!』
「じゃあ手合わせしろクソがぁ!」
ツッコミを入れつつ、姿勢を見る。
彼の戦い方は本物の猪のように低い。
…これはいい訓練になるのかもしれない。
と考える。
慣れたら野宿しているときに猪が狩れるのでは。
猪は少々獣臭いが肉としては上等だ。
『いいよ。この木刀が頸に当たったら勝ちね。』
「おう!」
「おい伊之助!バカじゃねぇの?!アバラ折れてんだって!」
Aちゃんも引き受けないで?!
金髪の話を完全に無視する。
「ウガァ!!!」
『これは、本物…だ!』
体(主に胸筋)が地面に着きそうな程体を低くして走る彼は、猪に育てられたの?ってくらいに猪。
カッ、カと木刀がぶつかり合う。
どこから出したんだその二本の木刀。
それにしても骨が折れてるなら結構痛いはず。
だが、野生動物のように動き回る。
ここまでくると人間でも怖い。
『温まってきた!』
そのまま木刀を足元で横なぎに払い、上空に跳んだ彼の足を引く。
体を押さえつけてすかさず、
「ぉわ!」
『…私の勝ち、ね。』
地面に叩きつけて馬乗りになり、刀を突きつける。
「お前つえぇな!名前教えろや!」
お前に絶対勝つからな!
そういった彼の被り物を取る。
かわいい顔。
「あ"!返せ!」
『君、キレイだね。…私の名前は藤堂A。』
「俺は嘴平伊之助だ!」
被り物を被せ、腰をあげる。私は伊之助が起きるのを手伝った。
伊之助とは仲良くできそうだな。
鬼殺隊に入って、冨岡さん以外に初めてそう思った。
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ayjsnnsnns - ならせていただきます。ぐらい言いそうだと思ったんですけど、なんでですか? (4月5日 18時) (レス) @page16 id: ec31c901d5 (このIDを非表示/違反報告)
ayjsnnsnns - 天柱になりますってセリフなんですけれど,物足りない感じです (4月5日 18時) (レス) @page16 id: ec31c901d5 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (11月8日 11時) (レス) @page2 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
見切り(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。長いことどう展開させようか迷っていましたが、やっと書き始められます。 (2023年2月25日 17時) (レス) @page26 id: 90784a4711 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - 凄く面白かったです!炭治郎たちと仲直り?的な関係になってほっとしました。これからも頑張ってください。応援してます!! (2023年1月7日 12時) (レス) @page34 id: 6491a72cae (このIDを非表示/違反報告)
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