炭治郎、元妹に会う【鬼滅の刃】

信じたくない ページ19

『どういうことですか。』

「すまない、今の話は聞かなかった事に…」


いつもの笑顔でお館様が言った。


『無理です。お館様に迷惑は承知ですが、言うまで居座ります。』


そう言うと、今度は困ったような笑顔を向けてきた。

珍しく表情がコロコロ変わる。



「…昔々、産屋敷一族は対無惨の為に鬼と人の混血を作ろうとしていたんだ。」


人は喰わず、鬼を喰らう、人でも鬼でもない生物。

そんな生物を創ろうとしていたらしい。

その為に「タネ」と「母胎」が必要だった。


母胎は鬼である私の母。


当時の水柱が生け捕りにした女が母だったらしい。


「タネ」はお館様だった。

だが、そんな事がうまく行くはずがない。

胎児が母胎に吸収される事は当たり前のような事だったらしい。


そもそも、人を食料とする母の中で作られていたのは「人」である訳だから、吸収されるのは当たり前。


母もそろそろ精神的に疲れていた頃。


私が生まれた。


だから「私の長女」と言う訳だ。


産まれてきた私は、日の当たれる人。



鬼の影はなかったらしい。



…ただ、ある日起きた事件によって私は行方不明となる。




「…無惨が、表れた。町を歩いていた時だった。私の娘を、Aを見に来たと。」



私の母は抵抗したが、同じ鬼…しかも鬼の始祖である無惨には敵わなかった。

私は2歳で親から引き剥がされた。



それから3年の事はよくわからない。



『…これが、真実…？』

「…そうだ。Aは、私の娘なんだよ。」






……信じたく、なかった。

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