あの時と今 4/5修正 ページ16
あの時、伊黒さんが言っていた言葉。
「あと一歩で柱」
先に言われてしまったとお館様は笑った。
❁
炭治郎が連れて行かれた後。
『嘘ですよね…?』
「お前、お館様がそんな地味な嘘を付くと?」
『いや、うーん…つかない…?』
「Aさんアホなことを言わないで下さい。」
『でも、だって、』
否定するために低めにあげた両手を、後藤がこちょこちょした。
『うふ、くすぐった』
「棒読みやめろよ。」
『え、なんでこちょこちょしたの?』
「Aさん、階級を示せ、ですよ?」
頭にはてなが浮かぶ。
『か、階級を示せ。』
いつかの日のように手に力を入れる。
「天」
黒い、黒い文字で浮かんだ文字。
天。これって…
『天柱、ですか?』
「そういう事だよ。」
『でも、私なんかが…』
「A。」
凛とした声。
「ここにいる者はAが柱になる事に同意している。それでも断るのかな?」
そんな事を言われたら、
『…藤堂A、天柱になります。』
受けるしかないだろう。
❁
「…お前が藤堂Aか。」
寝てしまったらしい。
喉元に当てられた恐ろしく冷たい手に飛び起きた。
腹の底まで響く声。
『誰…?!』
腰周りに付けた刀に手をかけた。
はずだった。
「…つまらない反応だな。」
男の手元にある刀は私の物だった。
スラリと抜いて、白く光る刀身を私に見せつける。
帽子の下から覗く紅い目。
『っ!』
小刀で応戦をするも、
「それもつまらない。」
止められた。
腰の当たりに立つ鬼…なのだろうか。
距離を詰め、拳で応戦する。
軽くいなされて、すかさず頸を蹴った。
「…それは面白いな。」
結構な力で蹴ったはずなのに、すぐ顔を上げる。
『紅い、目の、』
「…鬼舞辻無惨だ。」
猫目の男…鬼舞辻無惨が、月光の元で笑った。
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ayjsnnsnns - ならせていただきます。ぐらい言いそうだと思ったんですけど、なんでですか? (4月5日 18時) (レス) @page16 id: ec31c901d5 (このIDを非表示/違反報告)
ayjsnnsnns - 天柱になりますってセリフなんですけれど,物足りない感じです (4月5日 18時) (レス) @page16 id: ec31c901d5 (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (11月8日 11時) (レス) @page2 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
見切り(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。長いことどう展開させようか迷っていましたが、やっと書き始められます。 (2023年2月25日 17時) (レス) @page26 id: 90784a4711 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - 凄く面白かったです!炭治郎たちと仲直り?的な関係になってほっとしました。これからも頑張ってください。応援してます!! (2023年1月7日 12時) (レス) @page34 id: 6491a72cae (このIDを非表示/違反報告)
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