炭治郎、元妹に会う【鬼滅の刃】

柱合会議にて 4/5修正 ページ13

「Aさん？聞いてます？Aさん？」


ぼうっとした頭で禰豆子とアホのやり取りを見ていると、しのぶ様が声をかけてきた。


『はい？なんですか…？』

「血は繋がっていないとは言えど、妹が傷つけられて何も思わないんです？」


妹、か。

確かにしのぶ様が言っている事は当然。

だけど、禰豆子に対して今思っているのは…

なんなんだろう。あの子、鬼だよね。


『仕方がないですよね。』

「はい？」

『あの鬼には、鬼舞辻の血が流れている。』

「滅するべきだと？」

『当然です。これ、仕事ですもの。』


呆然と立ち尽くすしのぶ様。

何か言いたげに口を開こうとしたらしい。

目を伏せている。


「お前、やっぱり派手に心が鬼以上に冷たいな。」


鼻で笑いながら言ったのは宇髄さん。

鬼以上か。言えている。けど、


『胸筋忍者！』

「派手に危ねぇだろうクソが！」


お館様の前でそんなことを言うなんて。

冷たい女って思われて嫌われたらどうするんだ！！

と、言うか。


『その鬼(・)斬るの？斬らないの？』


彼女は苦手だ。

とても苦手。

だって私には無いものを持っている。

純粋な愛情という、大きな大きな宝物。


「Aさん…はぁ…」

「…A？！なんで禰豆子を斬れって言うんだ？！」



妹だろ？！




ほら。

炭治郎はわからないんだ。

愛される子だから、愛されない子の事がわからない。



『お館様。』

「…Aは、どうしたい？」


この鬼を斬り刻みたい。

けど糸口を失うのは惜しい。

お館様が言うなら、賭けてもいいのではないか。

これは妬ましい感情を切り捨てた考え。



ただ、私の個人的な思いを優先させるなら。

妬ましい。

今すぐにでもいなくなって欲しい。

死を選ぶ方法でなくてもいい。

ただどこかに行って欲しい。

もう、親しい人が注ぐ愛情を見て生きていたくない。

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