▽ ページ10
翌日──
『あ"ぁ"ーーー頭痛い………』
「そりゃそうだろ、お前昨日バカほど飲んでたもんな」
『私昨日何か変なこと言いませんでした？ 大丈夫でした？』
「………さあ？」
『え、その言い方絶対なんかあるじゃないですか！！
何言ったんですか！ 教えて下さい！！』
「いいから早く報告書書け」
『報告書なんて気になって書けませんよ！！』
私が文句を言っていると、ガガッという音がした
口を閉じて耳をすませる
《川立署より川立交番。
男が走って出てきた三丁目の路地裏に、女子高生がしゃがみこんでおり動かないとの通報あり。
怪我は無い模様。現場に向かえ》
「《了解》─海月、行くぞ」
『はい。
……わいせつ事案、ですかね』
「分からん。だがここ最近、川立署管内ではわいせつ事案が多発してる。
可能性はあるだろうな」
川合の働いている町山署管内でも、同じような事案が多発してるらしい
不安な気持ちになりながらも、現場にパトカーを走らせる
現場に到着すると、うずくまっている女子高生に、買い物カバンを提げたおばさまが付き添っていた
『川立交番の者です。通報してくださった方ですか？』
「そうそう、あたしが通報したの！」
『ご協力、感謝します』
「いやね、さっきまで駅前のスーパーで買い物してて家に帰るところだったんだけど、そしたら急にここの路地裏から男の人が飛び出してきて。
"気を付けなさいよ！" って叫んだんだけど、ものすんごい勢いで走っていっちゃって。
ここら辺も物騒になったわねぇ、なんて思ってたら、すすり泣く声が聞こえるから、どうしたのかしら、って覗いてみたら、この子がうずくまってるわけ！
もうあたし、どうしたら良いのか分からなくなっちゃって、それで110番したのよ」
「ご丁寧にありがとうございます。
もしかすると、今後捜査にご協力いただくこともあるかもしれないので、差し支えなければお名前とご住所、連絡先を教えていただけますか？」
「こんなおばさんが役に立つのであれば全然、どうぞ！」
『…大丈夫？ 立てる？』
「……はい、大丈夫です…」
『じゃあ、お姉さんたちと交番行こっか。パトカー乗ってこ。
あとでお家の人に連絡するからね』
「……はい」
『先輩！ 運転お願いします』
「はいよ。
それじゃあ、ご協力ありがとうございました。
海月、お前その子と一緒に後ろ乗ってやれ」
『分かりました』
私は、小さく震えるその子の手を取ってパトカーに乗り込んだ
交番に着くまでの間、私はパトカーの中でその手をさすり続けた
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綾木 麗(プロフ) - ありがとうございます！😭😭めちゃくちゃ嬉しいです！！更新頻度低いですが、頑張ります！ (2021年11月23日 19時) (
レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
あ - はじめまして！とても面白いです☺️続きが楽しみです！更新待ってます！ (2021年11月22日 7時) (レス) @page23 id: 945ef7e5c1 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - いちさん» ええええーーありがとうございますーーーコメントが何より励みになります！！めちゃくちゃ嬉しい…… (2021年9月30日 6時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
いち - いつもこのお話楽しく読ませていただいてます😊ほんとに素敵な作品です泣 (2021年9月29日 22時) (レス) @page22 id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - ずぃこかさん» すごく嬉しいです！ ありがとうございます！ ちょっと私も先輩のことかっこよく書きすぎたなと思ってます笑 更新頑張ります！！ (2021年9月12日 19時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾木 麗 | 作成日時：2021年8月19日 13時
