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「Aの気持ち、分からんでもないよ」
「ショッピ殿も、武器としての矜恃を？」
「ちゃうちゃう。そういうことやなくて、何がなんでも役に立ったるって気持ち」
思い出を辿るように、吐き出されては虚空に消えていく紫煙をぼぅっと見つめる。
ショッピは少しだけ、昔の自分とAを重ねていた。
「コネシマさんが俺の先輩だってことは、Aにも話しましたよね。
軍学校で目立たんように過ごしてた俺を、コネシマさんはここまで引っ張り出してくれた。
だから、少しでも恩を返さなあかん思って躍起になってた時期があってん。
そらもう手当たり次第に任務行っては怪我して帰って、その度にコネシマさんにしこたましばかれて」
あら鬼の形相やった。とケラケラ笑うショッピは続ける。
「せやから言うたった。
俺の命なんやからどう使ったって自由やないですか、って。そしたらあの人なんて言うたと思います？
俺が引き抜いたんやから、勝手に死ぬことは許さん。やって。心無いって言われとる人が、そんな事言うんかって驚いたわ」
そう話すショッピの目は、とても穏やかだった。
「せやから、トントンさんが考えとることも案外簡単なことやと思いますよ。
目ぇ掛けとるやつが自分の知らんとこで死ぬな。まぁ、トントンさんの場合はただ心配やからってのが強いと思いますけどね」
ほら、あの人無能に厳しいとこあるけど基本的に部下には優しいから。
ショッピの言葉から、必死に何かを読み取ろうとするAの頭をわしゃわしゃと撫で、よっこいせと立ち上がる。
ちらりと見たAの様子から、これ以上の助言は必要ないだろうと判断して、ショッピは歩き出す。
去り際に声を掛けることを忘れずに。
「俺がこんなん言うとったってこと、コネシマさんには秘密にしといてくださいね。
あの人、すぐに調子乗るから」
「あ…はい、あの！
ありがとうございましたっ！」
ひらひらと後ろ手に手を振るショッピを見送ったAは、決意を固めた表情で勢いよく立ち上がる。
今はただ、トントンと話さなければという思いが先行していた。
善は急げとばかりにトントンを探すため歩き出す。
この時間ならば、執務室だろうか。
すぐに執務室までの最短ルートを割り出して、Aの足はいつの間にか走り出していた。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
