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朝食を終えた二人は、執務室へ戻る道中に喫煙室で煙草を蒸していた鬱を連行する。
四面楚歌状態の鬱は泣く泣くトントンの執務室へ押し込められると同時に、隣接する寝室へAも押し込んだ。
「ほんならA、ゆっくり休むんやで」
「A、助けてぇや…」
「はい、ご主人。ありがとうございます」
「Aが冷たい…！飼い主に似たんか…！」
「喧しいわ。大先生はさっさと仕事してくれませんかねぇ？」
後ろから聞こえる喧騒を遮断するように、寝室へと繋がる扉を閉める。
Aが自覚するよりも先に、身体が疲労を訴えていたようで、あと少しでベッドだというところで床に突っ伏して眠ってしまった。
「昨日の夜からやったっけ、Aのパトロール」
「おう、口動かさんと手ぇ動かさんかい」
「あぁん、ちゅめたい」
「きっしょ」
「書類はちゃんとやるから、話ぐらいええやろ？」
薄らと笑って鬱はトントンを見る。
盛大な溜め息を吐いたあと、渋々鬱との会話に付き合う姿勢を見せた。
「本人は自覚しとらんみたいやけど、目ぇとろんとしとったな」
「自分で言うとったんやけどな。
人の身を得てから日が経ってないせいで上手く加減が分からんて」
「そういうもんなん？」
「初めてゾムと手合わせした日な、あいつぶっ倒れてん」
「は？そんなん初耳やけど」
「ゾムに元気良くお礼言ったかと思ったらその場でバタンや。
ほんでその時に問い質したんやけど、人間の身体は加減が分からん言うとったわ」
「はぁ、難儀やな」
「せやからまだたまにあんねんな。
ああやって疲れてんのに自覚ないこと」
トントンは、この事は誰にも言っていないんだろう。
他の人間が言っているところは見たこともないし、今が初耳だ。
ならば何故今回の夜警にAが抜擢されたのが不思議でならない。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
