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北側も南側同様巡回を進め、それを三巡した頃には朝日が昇り始めていた。現在時刻は6時。
22時から翌6時までを夜警時間としているため、Aは徐々に明るくなる軍基地内に目を細め、トントンの元へと急いだ。
コンコン、と控えめなノックをして声を掛ける。
「ご主人、おはようございます。Aです」
「開いとるで入りや」
「失礼します」
許可をもらい扉を開けると、いつもの軍服をきっちりと着込んだトントンがAを手招きしていた。
抗う理由もないため、Aは素直にトントンの前へと駆け寄る。
「A、お疲れさん。
何もなかったか？」
「はい。ご主人が言っていたように、やはり直ぐには行動に起こさないようですね」
「やっぱりな。
発見は早いに越したことないんやけど、こればっかりは現行犯で捕まえなあかんからなぁ」
「ロボロ殿の見解では、ほぼ該当者は絞り込まれているようでしたが」
「ここは状況証拠も欲しいやん？」
「なるほどですね！」
トントンの言わんとしていることを瞬時に理解し、Aは満面の笑みで答える。
今回の観光客を罰することで、牽制しておきたいというのがグルッペンの意図するところだ。
それを実現するためには、前例を作らなければならない。
『我が軍に仇なすものは、赦さない』と。
「よっしゃ、朝飯行こか。
そしたらAは、今日一日休みや」
「ご主人、本日午前にはグルッペン殿と鬱殿の監視の予定があります。
それから、午後からはゾム殿と手合わせの約束も」
「グルさんには昨日のうちに灸を据えといたからな、今日は大丈夫や。
大先生の方は俺んとこ呼びつけるからええ。
ゾムには俺から話して断っとくわ」
「しかし、」
「ええから。俺が休み言うたら休み」
「……分かりました」
どこか腑に落ちないながらも、Aには了承以外の選択肢はなく、小さく頷いた。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
