4.害なすものは生かしておけぬ ページ20
「ほんならA、何かあったらこのインカムで俺か監視室に連絡せぇよ」
「はい、ご主人！」
時刻は22時。
トントンからインカムの使い方を教わったAは、本日からエーミールがローテーション表を作成するまでの間、監視室と交代で軍基地内の夜警をすることになった。
トントンから念入りに行われる注意事項の説明に嫌な顔ひとつせずに頷く姿はまさに忠犬そのものだろう。
ようやっと出発の許可が出たAは、するりと音も無くトントンの執務室を出る。
数秒後には暗闇に溶けるように気配を消したAに、トントンは嘆息した。
巡回ルートは予めトントンから伝えられていたので、そのルート通りに広い軍基地内を迷い無く歩く。
補助灯など無い、窓から差し込む月明かりのみが廊下を照らし、月が雲に陰ってしまえば暗闇が辺りを包み込むだろう。それでもAには辺りの暗さなど、何の障害にもならなかった。
そも短刀とは常に主の懐に在るもので、主な用途
は護身用。さらに特徴として、夜戦での奇襲や屋内戦を得意としている。
Aも同じく、この夜警任務はほぼ独壇場と言っても過言ではなかった。
この軍基地内全てがAのテリトリーである。
だからこそ、Aはあの場で進言したのだ。
全ては主のために。
「南側、異常なし」
正面玄関を中央とすると南北に長い造りの軍基地のため、トントンからは南側と北側を交互に巡回するよう言付かっている。
何事もなく南側の巡回を終え、休む間もなく北側の巡回へ移った。
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
