3.進言はごく控えめに ページ17
「それでは、定例会議を始める」
月に一度開かれる我々国軍上層部の定例会議では、実に様々な問題が議題として取り上げられる。
ある時は市民からの納税について、ある時は隣国の不穏な動きについて、エトセトラエトセトラ。
そんな今回の議題は、夜警についてだった。
「それは軍内外…中心街も含めるんか？」
「理想としてはそうだな。
定期的に潜らせている暗部から、ちらほらと観光客の報告が上がっているから対処せねばならん」
「監視部総出でやるにもちとキツイわ。
軍内部だけで手一杯や」
「せやったら各部署持ち回りでええんちゃう？
スリーマンセルを三組、二組は中心街で残りは軍内部とか」
「夜戦とかええ訓練になるで」
「やっぱり俺らも出た方がいいんですよね？」
「そらそうやろ。幹部もローテーションに組み込むに決まっとる」
「では組み合わせは私が考えましょうか」
「あ、エミさん俺も手伝います」
「よろしくお願いします、チーノさん」
その後も各部署の訓練状況や、外交部監視部の得た情報共有を行い会議もお開きになろうという頃、会議が始まってから今まで一言も喋らずトントンの隣に控えていたAがおずおずと手を挙げた。
「あの、ご主人よろしいでしょうか？」
「ん？どうしたんや、A」
「夜警についてですが、僕も参加させてもらってもいいですか？」
控えめに発言しているかと思えばその目は強い意志を宿し、心なしか嬉しそうに見える。
「手合わせしとる限り、実力は申し分ないと思うで」
「それな。僕もグルちゃんも何度捕まったことか…」
「それは自業自得やろ」
「Aがええなら、俺はかまへんけど」
この場にいる全員がグルッペンに目を向ける。
決定権は、総統であるグルッペンにあるからだ。
しばし瞑目したあと、グルッペンはAを見る。
「分かった、Aにも夜警に参加してもらう。
トントンも、それでいいか？」
「ん、俺はええよ。
A、頼んだで」
「謹んで拝命いたします！」
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
