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「トントーン、邪魔するでぇ」
「何や用事なら簡潔に三言で報告せぇ」
「おーおーピリピリしとんなぁ」
ノックもなしに入室した二人にAはおろおろと視線を彷徨わせるが、それに気付いたトントンがAに向かって小さく手招きするものだから、やっと執務室の扉を潜った。
「あ？大先生はなんでここにおるんや。書類は終わったんか？」
「……いたたたたた急に腹痛が」
「誤魔化し方下手くそか。
まあええ、三人揃って何の用や」
目線を逸らして自身の腹を押さえる鬱を一瞥し、書き物を続けていた手を止めて深く椅子に座り直す。
どうやら話は聞いてくれるようだ。
「Aがな、トントンに話があるんやて」
「Aが？」
「ほれ、A言うたれ」
元々小柄な身体をさらに小さく縮こませながら、トントンを上目で見上げおずおずと口を開く。
「ご主人が、いつご就寝されているのかと心配になって…少しでも僕に手伝えることがあればなんなりと命じて欲しいです」
「あー…、ほんで？」
「、ご主人の命がない間にエーミール殿にご指導いただいて簡単な机仕事は出来るようになったんです。
だから、その、」
続きを促したトントンの声色に萎縮してしまい、最後の方は尻窄みになってしまったが、とりあえず伝えたいことは伝えることができたので、鬱は隣に立つAの頭を、良くやったと数回撫でた。
Aの言いたい事は分からないでもない。
手伝うという申し出だって嬉しかった。
いつの間にかエーミールとも接点があったことに、ほんのちょっともやもやしてしまったからに他ならない。
そんな気持ちは絶対に口には出さないが。
この間時間にして数秒。
はぁ、と気持ち大きめのため息を吐いて立ち上がり、Aと目線を合わせるために近くまで来てしゃがみ込む。
トントンが近くに来た事でちらりと視線を向けるも、すぐに足元に下げてしまうAに優しく声を掛けた。
「A、心配してくれてありがとうな」
「ご主人…」
「エーミールに教えてもらっとったんやな、すごいやん。よお頑張った」
「僕は、ご主人のお役に立てますか？」
「そうやなぁ…。
あ、Aお前狩りは得意か？」
「はい！もちろんです！」
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ハコ(プロフ) - 弥生夏さん» コメントありがとうございます。こういったタイプの主人公くんを動かすのは初めてなので、とても嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、気長にお待ちいただけると幸いです。 (2020年6月28日 0時) (
レス) id: ad61983e44 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - かっわいい！高評価あと50回くらい押したい！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年6月26日 7時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハコ | 作成日時：2020年6月20日 0時
