〜中編〜 ページ3
そのうちに仕事場である事務所へと辿り着く
事務所の前にはどうやら先客がいたらしい。事務所の扉の前には髪の長い、若い女性がそわそわと落ち着かない様子で待っていた
「ありゃ、まだ全然大丈夫だと思ってたけど...待たせてしまって申し訳ない、どうぞ中へ〜」
そうアオイが声をかけると向こうも気付き、すみません...と物凄く申し訳無さそうに返事をして、言われた通り、事務所の中に入っていった。
「紅茶とコーヒーどちらがいいですかね？」
「こ...紅茶で...」
「了解です！丁度知り合いからいい茶葉をもらいましてね〜、誰かに飲んでもらいたかったんですよ〜」
そういいながらいそいそと準備し、カップにトポポっと移していく
部屋の中が紅茶の香りで満たされていく
「はい、どうぞ。この紅茶は遠い国のもので、リラックス効果があるらしんですよね〜。あ、でも癖があるのでお姉さんの口にあうといいんですけど...」
「あ、ありがとう...ございます...いただきます」
そういって一口、二口と飲んでいく
「おいしい...!」
「なら良かったです！...さて、本題に入りましょうか。私に依頼したいこととは？随分お急ぎの内容そうですが」
そうすると女性はカップをそっと机に置いたあと、ゆっくりと口を開いた
「はい...まず初めに...私の名前は橘 伶香(タチバナ レイカ)と申します。主人と一緒に柚木町に住んでいます」
「ほうほう...ん！？柚木町！？ここからまあまあ距離ありますよ！？わざわざここまで来られたんですか！？」
「ええまあ...はい...」
「はえー...あ、すみません。話を続けてください」
「...しかし最近、急に魔物が多く出るようになって、村の者達も応戦しているのですが...重症者の方が多くだいぶ不利な状況です...夫も今回の怪我で重症を負って...まだ起きてないんですっ...！！]
そういって女性は泣き崩れる
その背中をあやすように撫でる
「...お辛かったですね。...了解です、その依頼受けさせていただきます！......にしても、そんな状態なら冒険者協会の人がくるはず...」
「...私もそう思ったのですが...村長が問い合わせても『もう来ている。これ以上の人員はさけない』と言われたらしくて...」
「もう来ている？...なにか裏がありそうだなー。その件についても調べておきますね」
「ありがとうございます...！！！」
「いえいえ！あ、橘さんは近くの宿で寝て待っといてください。寝不足でしょう？村のことはお任せを！ではいってきます！」
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作者名：カイアス | 作成日時：2022年7月23日 9時
