裏表赤司 と 表裏わた司 ２【赤司征十郎】

第68話 ページ20

面倒臭そうな顔をしながらも、
Aの背中と敷布団の間に手を入れ、上体を起こしてやる征十郎。



A「召し使いのようだ。気分が良い。動画に収めたい。」


征「煩い病人だな……もっと弱れ…」





征「……………はい。」



征十郎はお粥を食べさせるが、
慣れていないため、上手く口に入れれずに溢してしまった。


A「んっ…あっつ……も…熱い……下手くそ！」



征「……生まれて始めてだ。こんな事をしたのは。」


A「服の中に入っていったではないか…」



征「とろうか？」


A「変態…」




Aの服の中を覗き込む征十郎は、普通にグーで殴らた。

それに立腹したのか、
はい、はい、はい、
…と、速いペースでお粥を食べさせる。



A「ちょ…待ぁ……速い…」


A「んんっ…！」



A「もうあいやない(もう入らない)」



もう入らないと連呼するAを面白そうに見つめ、
さらに苛める征十郎。



征「ん？どうした？もっと食べたいか？そうか。仕方がないね。ほら。あーん」


A「んんんんんんんっ」


征「ん？口移ししてほしい？風邪がうつるから出来ないな。」


A「んーんっ！」



征「はははははははははははははははははははははははは」



ｺﾞｸｯ



A「づぁっ……はぁ…お前な…ぁ…」



征「ははっ……可笑しい。」



自然に笑う征十郎だが、その愛らしい顔はマスクとゴーグルに隠されていた。



征「……薬は自分で飲めるのか？最悪口移ししてやっても良いが。」


A「結構だ。」



粉薬を不味そうに飲み終えると、熱い と言って布団を征十郎に向かって投げた。

序でに枕も投げた。



征「…ぅ………暴れるな。」



A「熱い………」



征「布団は着ていろ。」



無防備な姿で寝転ぶAに、
冷却シートを渡す征十郎。



A「貼れ…」



征「……………甘えるな。」






征「おっと。」


ふざけて鎖骨辺りにシートを落とす征十郎。



A「…やぁん…冷た…い………」


征「す………すまない。」


A「…………熱い…」


征「熱を出してるからな。」


布団と枕を定位置に戻す征十郎だが、熱い熱いとバタバタ暴れだすAによって再び乱された。



A「布団やーだぁ…」


征「ダメだ。」


A「鬼………」



鬼の人差し指をそっと掴むA。



A「今日は…一緒に……寝てくれない…の…？」

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