【短編集】Dynamite (ページ3)

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# 犯人は真夜中に Shintaro Morimoto ページ3

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『っ、はぁ！？』

起きてすぐ鏡を見た瞬間、思わずそんな声が出た。

首から胸元にかけて無数の赤い跡。

虫に刺された？

でも、痛くも痒くもない。

こんなことするのは虫かあの子かの二択。

虫じゃないとしたら......

『慎太郎〜〜！！！』

「はいはいはい、なーにー？」

キッチンで朝ご飯を作ってくれていた慎太郎。

もちろん、慎太郎は同棲中の彼氏。

『なーに、これ』

「あー....... 」

完璧「俺がやりました」と顔に書いてある。

はぐらかすの下手すぎない？

でも慎太郎はバレてないと思っているらしい。

私に (バレてるけど) バレないように

目線を逸らしてまた卵焼きを作り始めてしまった。

『慎太郎やった？』

「虫ぃ.......とかじゃない.......？」

いやもう、目が泳ぎまくってるのよ。

あと卵焼きぐちゃぐちゃ......

動揺が顔だけじゃなくて動きにも出始めたな？

『あの時、私起きてたけど』

「えっ」

『はい、引っかかったー』

「は........えーもう........ 」

カマをかけたらまんまと引っかかった慎太郎。

「俺、めちゃくちゃダサくね？」って

フライ返しを持ったまま座り込んでしまった。

犯人は無事見つかったけど犯行理由がわからない。

昨日の夜は二人とも疲れてたからそのまま寝たはず。

なのになんで、キスマークついてるの？

「何言っても引かない？」

『大丈夫だよ』

「だって、最近 Aすぐ寝ちゃうから...... 」

「忙しいっていうのはわかってるけど」

「 .....したかったんだもん」

恥ずかしいのか、徐々に声が小さくなっていく慎太郎。

そんな姿が可愛くて仕方ない。

『なにがしたかったの？』

「絶対わかるじゃん、流れ的に！」

「 .....もー！えっち！したかったの！」

慎太郎はこれでいいでしょ！と

ぷんぷん怒りながら私を抱きしめてきた。

じゃあ、今日の夜しようねと頭を撫でたら

え〜〜と不満ありげな声が返ってきた。

「今しよ」

『は！？』

「さっき正直に言ったんだから」

「ちょっとくらいご褒美くれてもよくない？」

パパっと手早く火の始末をした慎太郎に

お姫様抱っこをされたらもう逃れられない。

気づいたらさっきまでいたベッドの上で

エプロン姿の慎太郎に組み敷かれていた。

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(続かない！)