君に失恋したから髪を染めた【羽風薫】 (ページ14)

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13話ページ14

13話
sideA

あの日以来、薫とは話さなくなった。
廊下ですれ違っても、授業が一緒になっても、仕事で顔を合わせても。
一切話さない。

少し苦しい。
けど自業自得だ。
私があの時、嫌われるようなことをしたから。

青葉「Aちゃん？手が止まっていますよ？」
A「あ、ごめんごめん」
青葉「いえいえ、僕は衣装作りを手伝って貰っている方なので構わないんですが、そのままだと針を指に刺しちゃう所だったので」
A「ぼーっとしてた」
青葉「体調が優れないんでしょうか？一旦休みますか？」
A「大丈夫だよ。すぐ終わらせよう」

この場にいたのがつむぎだけで良かった。
ここに薫がいたらまたうるさいことをｰｰｰｰｰｰｰ

(…やめよう…)

薫のことを考えるのはやめよう。
やめたいのに…やめれない。

青葉「…薫くんのことですか？」
A「な、？！」
青葉「当てずっぽうでしたけどあってましたねー。噂は色んなところから聞いていますよ？仲違いしてしまったとか？」
A「…私が悪いんだよ」
青葉「そうなんですか？」
A「そうだよ。だから今のままで良いんだ」

その方が薫は楽だと思うし。

青葉「思ってもないことを」

つむぎは笑いながら核心をついてきた。

青葉「このままでいいって顔じゃありませんよ？自分に嘘をついちゃいけません」
A「でも私、薫のこと、殴ったんだよ？」
青葉「友達なら当然でしょう？…幼い頃から仲良しなお2人ならなおのこと」
A「…でも、私、今までは1度も…」
青葉「なら今までがおかしかったんですねぇ？通常に戻れましたね」

なんとなくイラッとする。

青葉「痛たたたた？！無言で足を抓るのはやめてくださぁい！！」
A「イラッとして…反省はしてるよ？やめないけど」
青葉「い、いたっ！いたいっ！緩急つけないでくださぁぁい！！」