第百六十四話 ページ26
「で、何ですか聞きたいことって……」
『赤井秀一さんのことです』
私がそう言った瞬間。
抱き着いていたベルモットさんも、呆れ顔をしていたゼロさんも瞬時に雰囲気を変えた。
考えていた通りの出来事だったし、車内で凍り付いた空気になるのはもう慣れっこなので私は戸惑いもせず真顔のまま。
どうやら自動車の中で秀さん関連の話をしだすと車内は凍り付く仕組みらしい←
教えてくれますか、と私が口を開くよりも早くベルモットさんは私の肩やら背中やらに回していた手を両肩に移動させ、先程よりも数トーン低い落ち着き払った声で話す。
「言ったはずよKitty。私は貴女に平和な道を歩んでほしいと」
『私の場合、ちょっと無理です……』
若干諦めたような顔でそう言えば、彼女は一瞬言葉に詰まる。
「でも……!」
「何故、その男のことを?」
動揺を抑え込むような声で会話に入ってきたのはゼロさんだった。
普段と今の雰囲気との温度差に驚いたがこれが彼の本性なんだろう。大人って怖い。
『その人に聞きたいことがあって』
「彼でなければ駄目なんですか?第一ジンから聞いた筈でしょう、あの男は……」
『分かってます!この組織の誰かに殺された……でもそんな話、私は信じてません』
「ッ!!」
信じていない、その言葉で彼は眼の色を変えて私を見た。ベルモットさんも少なからず驚いていたが、ゼロさんはそれ以上の反応だ。
私はそのまま話を続ける。
『確かに最後に会ったあの日から……ぱったりあの人とは連絡が途絶えました。でもそれだけです』
「……一度しか会ったことがないというのは、やはり嘘だったんですね」
『ええまぁ』
あそこでそんなこと言ったら確実にジンに目をつけられただろう。
今のジンは私と秀さんの間には何の関係もないと思ってるし。
同じFBIの人にも死んだと思われていて、殺した方も当然死んだと確信していて、そんな中で生きてるのを確実に知っているのが昴さんだけなんて、あまりにおかしな話だ。
そもそもアレは昴さんと何の関係がある?昴さんの首の秘密を知りたいならまず秀さんの方の謎を解かないと始まらない……ような気がする。
『だから彼の手がかりを掴みたいんです』
「き、Kitty貴女……」
「……分かりました。ではヒントを一つ。一度しか言いませんよ」
ヒント?
事実を全部伝えないということは、私を試しているんだろうか。
聞き漏らさないため、グッと顔を近づけ耳を研ぎ澄ます。
____来葉峠。
彼の低い声が、真っ直ぐ耳に入ってきた。
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さくら(プロフ) - 輝さん» うわあ!!!!!うれしい!!!すごい嬉しいです!!!!!!!!!!そうですねえ主人公の夢主が現代軸なのでウイスキートリオとかの過去軸かけたらたのしいですね!うわああ掛け持ちしたくなっちゃうぜウヘヘヘ (2018年5月18日 21時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - さくらさん» 後藤の普段はアホっぽい(褒め言葉)のにたまにふと見せる闇的なの凄いツボです!今度、出来たら後藤を夢主にしたものとか見てみたいです切実に((キリッ (2018年5月18日 21時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - さくらさん» え、前にも言われた事あったんですね!(笑)はい、もちろん。私、前後ペア好きです!面白いし(笑) (2018年5月18日 21時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 輝さん» 前にも言われたことありますね。あっちの藤四郎兄弟も好きですがこっちの前後ペアもヨロシクです!!! (2018年5月18日 20時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - 前田と後藤…やべぇ、刀剣乱舞しか思い出せないw (2018年5月18日 19時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2017年3月26日 18時