【名探偵コナン】同居人が変装してたとか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

第百五十八話 ページ20

『はぁぁああぁ……』


おこんにちわ。先日発生した例の事件を生み出した張本人、Aです。気分は物凄く沈み気味……

前のアレから昴さんは私と常に一定の距離感を保つようになった。私を背後に立たせるなんてもってのほか。近づこうとすると意地でも離れてくし、どことなく会話もよそよそしくなってしまう。端的に言えば凄く気まずい。


『はあぁぁぁあ……』

「さっきから何なのよその溜息は……」


と、いう訳で。
学校が終わった後でも工藤邸に帰ろうという気が起きず、哀ちゃん達にも会えず(泣)、かといってあんな治安が悪い場所に延々と1人でうろつく勇気もなかったので、色んな意味で頼もしい知り合いがいる杯戸中央病院にやってまいりました。


『ちょっとした、対人トラブルで……』

「トラブル……あの眼鏡彼氏さんが浮気?」

『違う』

「女子高生は多感な時期だからなぁ、大変だな」


忘れた人はいないかな?
そう、前田さんと後藤さん、前後コンビの再登場です!この空間の安堵感やばい!!

大変だなぁ、と呑気に呟いた後藤さん。その頭上には素晴らしく見事なタンコブが存在感を放っている。一番大変なのはお前のその頭だ。早くなんとかしろ。

……にしても……昴さんは……
チョーカー着けてるの、そんなに見られたくなかったのかなぁ……??
初めて会った時からいつもずうっとハイネックってことは、肌身離さずに装着してるんでしょ?別にそんなのは個人の趣味だから私は気にしないんだけど……うむむ……


『あんな唐突に距離置かれるとなぁ……』

「ほぉ、そっか……じゃあ、Aちゃんが他の男と仲良くしてて嫉妬してるんじゃない?アンタならやりかねない」

『へぇｯ!?あのハイネックが!?それはないですよ!!だってあの人以外で私が仲良くしてる男性なん……て……』


いたわ。
みんな大好き赤井秀一さんがいたよ。でも昴さんみたいな恐ろしい人間が嫉妬なんてするのか……?


『でも……ええ……??』

「その顔は心当たりがあると見たわ……!」

「よっ、浮気調査の達人!!」

「アンタはいつまでも居座ってないで帰ったらどうなの!?ここはお茶会会場か!」


大人2人の大人気ない騒音を聞き流しつつ考えてはみたが、やっぱり想像出来ない。昴さんのあの避けようはそういうものではない気がするし……

でも、秀さんは私が知らない昴さんを知っている筈だ。彼を問い詰めたら何か情報が聞けそうな気もするが、彼も昴さんとのあの一件以来、一向に顔を出しに来ないのだ。


『せめて、あのニット帽が現れてくれたら話が進むんだけどなぁ……』

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