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「と、とりあえず顔上げましょ、ねっ?」
「チョッゴメン嬉しすぎて無理」
「コレが私よりマシだと??」
「……撤回する」
眉間のシワを抑えつつ呟く秀さんの足元には、地べたに這いつくばるように土下座したままの後藤さん。私は傍にかがんでポンと叩いてあげた。
「いや〜……まさかあの赤井さんと同じ任務に就ける日が来るとは……」
「よ……良かったデスネ……?とりあえず自己紹介はしときましょ」
後藤さんは「それもそうか」とフラフラ立ち上がる。ン゙ンッと咳払いして秀さんの前に手を差し伸べ、
「あ、赤井捜査官!改めて初めまして。俺ごと──」
「ん?」
「唐突に動き止まりましたね嫌な予感」
「……っっっ髪短ァッッッ!!?」バタ-ンッッドタドタズッテーン
「出やがったこのクソ忙しい時に!!」
謎の台詞を吐きながら後ろに飛び退き階段を転げ落ちて行った。握手に応えようと手を伸ばしていた秀さんはフリーズ──もはや呆然としていると言っても過言ではない。
ま、後藤さんの方はノルマ達成って事でいっか……(よくない)
数秒した後、思い当たったらしい秀さんが後ろ髪をチョイと触っていた。
「ああそうか。切ったのはこっちに来てからだったからな」
「へえ!秀さん髪切る前どんな感じだったんですか?」
「そらもう、こーーーんな」
「腰ィ!?なっが!!」
(頭から血を流しつつ)何事も無かったかのように階段を上って戻ってきた後藤さんが、手で長さを教えてくれる。カッコ内に関してはツッコまない事にした。
「いやあこの人相でその長さ、さぞ怪しさ満点だったんでしょうね……」
「うんうん、怪しすぎて去年NYで出没してた例の通り魔かと思ってた事ある」
「分っかります分かります私も何度不審者と確信したことか!!」
「聞こえてるぞ」
「あ、秀さんいつの間にそっちに」
私達の陰口(?)を華麗にスルーしていた秀さんがムッとして顔を出す。さっきコナンくん達が出てきた部屋からだ。
「というか2階でずっと何してたんです?」
「機材運び!見た方が早いって」
「??一体どういう……ウワッ!!」
秀さんがハッキングとかしてた事もある、機材が入ってる空き部屋。大量の液晶画面スピーカーコンピューター電気コードなどなどがギッチリ、所狭しとひしめき合っていた。
「家中に仕掛けた隠しカメラ10台分の映像用と音声用PCとか、変声機に仕込んだスピーカー用マイクとか、まあ他にも色々」
「す、凄い……!」
(俺は用意されてたのを運び込んだだけだって)
(いやいやこれを一人で運んだのが凄いんですって!!)
2023/06/11
気づいたら時間飛んでやがる
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色 - すっごく!!面白いッス!!!それにこんなに長く続けてくれている方は初めてで長く楽しめるのが嬉しいッス!!!主人公ちゃんの秘密とかすごい気になるし、このくっついてそうでくっついてないところとか、すげえキュンキュンくるッス!!!俺、感動ぅ(´;ω;`)って感じッス!! (8月2日 21時) (レス) @page34 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - 夢さん» 思い出して貰えてとても嬉しいです……更新頻度も展開も未だ亀ペースでホントに申し訳ない……また遊びに来て下さい! (5月5日 0時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
夢 - コナンくんの映画を見てこの夢小説をまた読みたくなって一気読みしましたwこれで10週目くらいです…毎度毎度きゅんきゅんが止まりません!!!更新無理なさらず頑張ってくださいね! (2023年4月21日 7時) (レス) @page25 id: 4569fd3783 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - ユナ@前垢消えたさん» 一気見お疲れ様です。そして嬉しいです、ありがとうございます。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。私としても、大変光栄なコメントありがたく感じています。今後も更新頑張っていきますね。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年5月29日 0時