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「病室に居ないから探したんですよ?ちゃんと自分の部屋にいて下さい」
「モウシワケアリマセン……」
看護師さんが「大体、意識が回復して間も無いのにその脚で歩き回るなんて……」とお説教を続け出すと、園子達も加勢して来た。
「そーよ寝てなさいよ!!」
「無理に動かすと悪化するよ!」
「ウッ正論が刺さる」
JK二人からブーイングを浴びせられた所で、看護師さんが私の方を見た。
「それより貴女に会いたいという人が来てますよ。親類じゃなさそうだから、会うかどうかは本人に聞いて来ようと思って」
「会いたい人……?誰が来てくれたんです?」
「沖矢昴さんという方で──って、神崎さん!?」
その一瞬のうちに、Aは病室からいなくなっていた。
(あらあら〜♡見せつけてくれるわねえ)
(園子……)
──
荒い息遣いで廊下を進み階段を降りる。Aが1階まで辿り着くと、背の高い、眼鏡のハイネックの男性が佇んでいるのが分かった。手すりにしがみついたまま口を開く。
「昴、さん」
「!」
叫んだ訳では無いのに、私の声にすぐ気づいてくれた。腕を組んで寄り掛かっていた壁から離れ、こっちに近づいてくる。私も近くに行こうとして──かくん、と怪我をしていない方の膝が折れた。
「どわっ!?」
アラ〜!?お膝ちゃんどうしたの!?アッ疲れた!?こっちの脚だけで引っ張り続けて負担がピークになってたのかな?そりゃしょうがないけどこのままじゃ私が床と顔面コンバンワしちゃうんだよねっっ!!
「(──あれっ?床じゃない)」
でもそうはならなかった。ギュッと閉じていた目を開けると目の前にハイネックが。どうやら受け止めてくれたらしかった。
「あ、りがとうございます」
「全く。病院で傷を増やさないで下さい」
「えへへ……」
昴さんは私を抱え、廊下の長椅子に座らせた。敬語のままなのは蘭達がいること考えてなのかな。
「……怪我は」
「掠りはしましたけど、私はだいじょぶで──あの聞いてます?」
「平気で無茶をする人の発言は信用できないので」
「それ聞いた意味ないですよね!?」
昴さんは膝をついて包帯だらけの私の脚をじっと観察してた。
と、というかこの構図……跪かせてるみたいで落ち着かないな!?なんか話そ。
「……真純ちゃんは、まだベッドで寝てます。私なんかよりもずっと重傷で……」
一通りの観察が終わったらしい昴さんは、話し始めた私の隣に座る。
「私、」と顔を上げて昴さんを見た。
「絶対犯人を見つけて、思ったこと全部言ってやります!」
#30:※なお晩御飯は食べなかったし徹夜で捜査した→←#28
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夜鷹紫苑 - すげぇ、返しがプロってる (5月18日 1時) (レス) id: ae0632c942 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - やよい@サブ垢さん» 心停止報告大変助かりますありがとう安らかに…… (2021年11月30日 3時) (レス) id: a531cb8ac0 (このIDを非表示/違反報告)
やよい@サブ垢(プロフ) - ヴッ………(心肺停止)好きすぎて軽く鼻血が……(((( (2021年11月29日 21時) (レス) id: bc461f0e02 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - うさぎはっちさん» お疲れ様ですありがとうございます!ギャグだから許される文法なのでよく使ってますね!わかる人がニヤ…する程度でチマチマ小ネタ挟んでるので気づいてもらえると仕込んだ側としてもニヤリしちゃいますね…(私の全部受け止めて…) (2021年10月30日 1時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
さくら(ふぶきち)(プロフ) - たこやきさん» したり、でも公式台詞コピペはなるべく避けたかったので「まあギャグだし多少はええやろ」という傲慢な暴走含めておりますが本当に楽しいです。エッ イチバン 言質取っていいですか??(ボイスレコーダーを構える絵文字) クソ長キモリプ大変失礼致しました感謝…! (2021年10月30日 1時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2021年7月26日 19時