【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

#28 ページ29

「撃たれた私達の代わりに、通報も事情聴取も、全部一人でやってくれたんでしょ？」


　にっこりと微笑んだAは言葉を続ける。


「それに、ちゃんと覚えてるよ。撃たれた時に必死になって応急処置してくれたこと」
「……Aはオレのせいで撃たれたのに、」
「そりゃあれだけ言っといて一人で突っ走ってケガさせるとは何事よそんなだから体縮むハメになったんじゃないの子ども扱いされてるからこういう説教されたりしないだろうけど私はこういう時こそ子供扱いしないからねとは言いたいけども」
「やっぱ怒ってんじゃねーか」


　コナンにはどうしても納得できなかった。散々自分に忠告をしておいて、それを無視した結果怪我を負わされて最初に言う言葉が「ありがとう」だなんて。


「だってその顔、もう反省してるじゃん。わざわざ叱る気にならないよ」
「……」


　笑うAに「フツーそれで済ますか？」と思いながらも口を噤んだ。二回目のクソデカため息は防げなかったが。


「ありがとね。新一くん」
「……おう」


　コナンはAの頭をくしゃりと撫でる。ベットの上に腕を置き、世良の様子を見ていたAはまたヘラりと笑った。
　その直後──


「「Aっ！！」」
「「(ゲッ！？)」」


　扉が開くと同時に二人分の声が響く。慌てて振り返ると、背後には蘭と園子が立っていた。それも凄まじい形相で。
　仮に“新一くん”が聞こえていたら大問題では？？どう誤魔化したものかと二人で目線を合わせているところ、蘭と園子は私に詰め寄って来た。


「ビックリしたんだよ！？世良さんは手術終わったばっかだし先にAのとこ行こうって思って部屋に入ったら、どこにもいないんだもん！……っよかった、最悪なことになってなくて……！」
「あっごめん、ごめんね蘭！よしよしよし泣かないで」
「つかなにしてんのよ。病院で地べたに座る患者がいる？……ま、何となくここにいるような気はしてたけど」


　蘭をあやしながら話をしてると、園子が椅子に座らせてくれた。ありがてえ気分はまるでおばあちゃんよ


「あ、コナン君。世良さんとAのことは私達に任せて」
「うん……」
「目が覚めたらすぐに連絡するから。ね？」
「また明日ね！」


　椅子に座ったまま手を振れば、コナンくんはまた「うん」と微笑んでいる部屋を出ていった。流石に今日は強行捜査すんなよ……！
　三人でガールズトークでもして真純ちゃんが起きるのを待っていようと思った所、バタバタという足音がして誰かが入ってきた。


(──神崎さん！)
(ウワﾞッヤバい看護師さんだ！？)

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