【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

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『んで、来ちゃったって訳か……』
「うん♡｣


　目的地周辺にたどり着いた私は、即座に電話をかけていた。傘を片手に歩き通話とは優雅じゃありません？


『分かった分かったコーサン。調査も終わったことだし、続きは他の場所でやる。今どこにいるんだ？』
「え〜と、もうすぐ赤い橋渡るとこ！｣


　アスファルトの歩道から幅の広い大きな橋に入る。車道もあるけど、私は端の歩行者用通路をちゃんと歩いてますよ？……え？橋の端？？？しょうもねえな聞かなかったことにしようか


『赤い……ってことは吾妻橋か』
「それよりコナンくんは？ちゃんと手の届くところにいる？最悪足でもいいけど｣
『(目じゃないんだ……)ちゃんと隣にいるって。なーコナン君！』
『ハハ……』


　今度はコナンくんの乾いた笑いも聞こえてきた。よしよし、ちゃんといるならOK。


「ちゃんと傘は持ってる？｣
『ない』
『いる？』
「現場をちょろちょろと動き回ってるのに！？｣


　転ばぬ先の杖、撃たれぬ先の傘だよ！？そりゃバイクの真純ちゃんはともかくとして、持つ意味すら理解していない死神はマジで蘭に蹴っ飛ばされた方がいいと思う。


『でも……やっぱり不思議だよな。今までで一番近いのに一発ずつ外してるのは』
『うん、それに……』
「(流れるように捜査会議が再開しておる……)｣


　折角の通話状態のままなので、時折私も聞いたり口を挟んだりしながら歩き続けた。吾妻橋長いからまだ渡り終わりそうにないしね。


『距離、弾道、そしてサイコロにもっと特別な意味があるんだろうか……？』
「ほお、なるほど｣


　流石探偵、着眼点が新しい！と感心してるうちにコナンくんが誰かと電話をし始めた。流石にあんまり聞こえないし静かにしておく。電話を切ったと思うと、また誰かにかけ直したようだった。


「真純ちゃん、今誰となんの話してるの？｣
『さっきの電話はFBI。今は警視庁にこっちからかけてるよ』
「相変わらず小一がかける電話相手じゃない……｣


　丁度橋の中心に辿り着いたので欄干から顔を出してフロート船の方を覗いてみる。


「(おっ、真純ちゃん発見！……ん？)｣


　何やら焦っているご様子。電話の方からも二人の慌ただしい声が聞こえてきた。「あと3分しかない！｣とかなんとか。


『Aっ、さっき吾妻橋にいるって言ってたよな！？』
「う、うん｣
『危険だからそのままそこにいるんだ！絶対浅草駅には戻るなよ！』
「えっ｣


　それどういうこと──と言う前に電話は切られてしまった。

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