【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

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「はあ！？今浅草にいる！？」
『う、うん……』


　翌日。私は電話相手に向かって叫んでいた。


「ほ……本気で言ってるの真純ちゃん」
『昨日の現場が気になってて……今からコナン君と二人で調べることになってるんだ』
「待って死神もセットなの！？」


　嘘だと言って欲しかったのに現実だった上、知りたくなかった追加情報まで入ってきたんですが？？昨今の治安下なら用心してるだろ〜と思ったらコレよ。流石にフラグ回収が爆速過ぎると思う。


『まあまあ、そう怒るなって』
「そりゃ怒るってば！犯人に見つかったら危ないんだよ！？」
『大丈夫。コナン君は子供だから怪しまれないし、ボクも直に顔は見られてない筈だから』
「でも──」
『だから、ボクらの事は心配せずにAはじっとしてろよ。一番危険なのは顔を見られた君なんだから』


　アラッ突然真面目な声のトーン！？ご自分のことは棚に上げて至極真っ当なこと言うのね……と反論しようとして、やめた。昨日の秀さんの言葉通り、それは事実だったから。


『早く事件を解決させれば、君も安心できるだろ？』
「むう……」


　真純ちゃんの口が上手いのか単純に私が真純ちゃんに弱いのか、上手い言い返しを思いつかない。


『大丈夫、すぐに解決してみせるから。終わったらまたどっか行こーなっ！』
「あっ！ちょ──ったくもう」


　まごついている間に真純ちゃんは会話を切り上げてしまった。チクショー自分の言いくるめ力の無さを恨むぜ。


「(こうなったら無理矢理連れ戻すしかねえな……)」


　Aは通話が切れた携帯画面を睨みつつ浅草に乗り込むことに決めた。全く納得していないらしい。

　たとえ私の為でも、このまま丸め込まれて黙ってる訳には行かない。コナンくんには蘭が、真純ちゃんには秀さんが。それぞれ身の安全を心配してる人がいるんだから！言葉がダメなら行動あるのみ！


「──っよし、じゃ行ってきます……あ、」


　大急ぎで出かける支度を済ませて玄関に辿り着いた時、ふと「不用意に出歩くな」という沖矢の言葉が頭をよぎった。沖矢は今Aの代わりに買い物に行っていて、この家にはいない。

　……でも、今行かなかったら私の代わりに真純ちゃんが危なくなるかもしれない。一件目のベルツリーでの狙撃の時みたいに。


「(……えーい秀さんゴメン！！！)」


　申し訳程度の投げやりな謝罪と同時に傘を引っ掴み、浅草に向かって飛び出した。


(うわ、ホントに道行く人みんな傘さして歩いてるゥ！！)

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