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再び少女を抱き直し
話しかけてきた男の方へ振り向いた
目の前にいるのは
頭に縫い目のある、袈裟を着た長髪の男だった
『…なんでここが分かった?』
夏油「そんな事より、先ずは自己紹介だろう?
私は夏油傑、君なら知ってるかな?」
聴いた名前にAは再び身を固くする
夏油傑は呪詛師として有名な男だ
数年前に五条悟が殺害したという話だったが
目の前には死んだはずのそいつが立っている
少しの混乱もある、しかし
本当にあの夏油ならば階級は特級に値する強さだ
そしてその後ろにいる呪霊達
五条が言っていた火山頭の呪霊
交流会に乱入してきた目に木を生やした呪霊
赤色の蛸のような呪霊
気配で分かる、どれも、強者なのだと
夏油「場所といっても、
本家の場所は明確には知らないよ
ただ、最近宿儺の器…一派がここ周辺に来ただろ?
私達は彼を監視してたからね
君の事も丁度調べていたし、彼等のおかげで
君がここ近辺に居ることが分かった」
「ぉねぇちゃぁん…」
淡々とAの疑問を話した夏油
少女は怯えている、見えているのだろう
危機的状況になった時は非術師にも呪霊は見える
Aは静かに抱き上げた少女の背中を撫でた
『(…道を戻れば本家がある、
下に降りればすぐそこに街がある)』
上に戻れば本家の場所がバレる、
椿や使用人が危険に晒される
下に降りれば今度は街の人間が危険に晒される
だが
この少女にとっての最善の策は?
『(どちらにも逃げられない、
一体でも手に負えないのにそれが一斉に…
あまりにも部が悪すぎる)』
彼女は前にも後ろにも回避できない
それなのに残された時間は少ない
『(……一か八か)』
____チリーン
______シャンシャンッ
体から無数の蝶が現れ始める
夏油「それが君の式神か、お目にかかれて光栄だよ」
漏瑚「おい、先手を打たんで大丈夫なのか?」
夏油「大丈夫さ」
___チリーン
___チリーン
『(せめて、この子を)』
Aの体を蝶が囲って隠していく
___シャンシャンッ
Aの姿が見えた時、
その腕に少女の姿はない
夏油「(先に逃がしたのか、流石、賢いね)」
夏油の思った通り、
Aは蝶のその中に少女を紛れ込ませた
一か八か、彼女を逃がすことを優先したようだ
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マリア - もう、何度も何度も読み返してます。本当にこの作品を愛してます。成り立ちも、感情描写も凄く繊細で美しく、引き込まれました。これからも、この作品を愛し続けます (7月16日 22時) (レス) id: 3821b6efdb (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅオタ - もう神作すぎるんだが……。この作品愛してる (2022年12月23日 23時) (レス) id: 96baaba9fd (このIDを非表示/違反報告)
じゅじゅオタ - え?絵も話も最高なんだが?あなたは神ですか?え??? (2022年12月23日 23時) (レス) @page37 id: 96baaba9fd (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - これからも頑張ってください! (2022年7月17日 12時) (レス) id: 5ace0f76be (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - イラスト上手過ぎ!!影の部分も細かい線や色使いも凄く丁寧に描かれていて凄いです!!話もしっかりまとまっていたり面白いところやシリアスなところが分けられていて今まで読んだ中で一番のお気に入りです! (2022年7月17日 12時) (レス) @page5 id: 5ace0f76be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘党組 x他1人 | 作成日時:2021年2月20日 20時