#40 ページ43
その後も相変わらず、楽しいような、でも苦痛のような生活が続き、気がつくと季節は10月の終わりになっていた。
「「A！トリック・オア・トリート！」」
朝起きるなり、Aはハンナとスーザンに満面の笑みでお菓子をねだられる。
普段はAの方が早起きなのだが、今日は2人の方が早起きだ。
「トリック・オア・トリート……。元気ね、あなたたち。」
苦笑いしながら、Aは枕元の変身術で作った壺からキャンディーを取り出して渡す。
「そりゃハロウィーンだもの！」
とスーザン。
「Aって意外と行事の時も普段と変わらないのね。」
とハンナ。
(そりゃあんたら、17歳にもなってハロウィーンではしゃぐわけないでしょ……。)
Aはそう思いつつ苦笑いする。何も知らない2人にこの冷めた感情を伝えることはできない。
「寝起きからそんなにハイテンションにはならないよ。……そうだ。ヘアゴムをハロウィーン仕様にしなきゃ。」
Aはオレンジ色の色紙を杖でつつき、ジャック・オ・ランタンの形に変え、ヘアゴムに引っ付けた。
耳の下で二つ結びにすれば、まるでジャック・オ・ランタンのイヤリングをつけているように見える。
「すごく可愛い！私にも作って！」
「私も！」
2人にせがまれ、Aは2人のヘアゴムにも細工する。
(なんでこんなことしてるんだろうか……。)
Aはため息を吐きたい気持ちを抑える。
本来、Aはイベントが好きではない。
この世界に来る前、大使館等で行われるパーティー類も面倒に感じていたし、ハロウィーンなどいじめる側からすれば都合のいい日で、例年ならAはハロウィーンの日は厳戒態勢なのだ。
しかも、今年は面倒な事件が起きる。
もちろん、既にシナリオは考えてある。
ある意味、自分の見通し力の力量試しの日だ。
今までは特に何も原作に影響を与える行動はしていないが、万が一にも他人に勘付かれないために、いつも以上にホグワーツの生徒のテンションに同化しなければならない。
暗い気持ち半分、ルームメイト2人からもらったワクワクの気持ち半分で、Aは部屋を出て、朝食のために大広間に向かったのだった。
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灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» （続きです）声が一瞬出なくなったのを表現したくて「〜！」の形にしました。読み返して気が変わったら採用するかもです。コメントありがとうございます！ (2017年9月8日 22時) (
レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 同じ番号があるのは、お話が続いているからです。計画性がないがゆえに1話に入りきらなかったんです。誤解を与えて申し訳ないです。円を描いたのは、なんとなくでどうしたらブラックホールを出現させることができるかわかったからです。超感覚として説明してます。 (2017年9月8日 22時) (レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - 「〜！菊月！」スネイプにユキは手で円を書く。スネイプ先生は円を書けといってないのに、円を書いたのですか？それと、こじんてきにですが、「きっ、菊月！」の方がいいかも！ (2017年9月3日 19時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - #4の表記が二つあります。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
ちあぴー - ここまで緻密なハリポタの物語は初めて読みました。読んでいて本当に楽しかったです。ありがとうございました！ (2017年8月24日 13時) (レス) id: 7643a06046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒 | 作成日時：2017年5月4日 18時
