#24 ページ27
そして、その他のスネイプからの質問にAは答えていく。
隠さなければならないのは未来から来たこと、この先の暫定の未来の結果を知っていること、ダンブルドアからのお願いだけなので、特に隠し事はしていない。
「君は、どの寮に入りたい？」
スネイプは最後に聞いた。
「寮ですか？どこでもいいです。」
Aは言った。
「どこでも？」
スネイプは眉間に皺を寄せる。
「だって、私はここに入学する他の子とは違って、すでに人格はほとんど完成しています。どの寮に入っても大してブレはしないでしょう。まぁ、『ホグワーツの歴史』などの記述を参考にすれば、1番近いのはスリザリンでしょうね。でも、血筋を考えれば潰れる選択肢です。グリフィンドールに入れるほどの勇気とか元気さはないし、かと言ってレイブンクローに入るほど勉強好きではない、ましてやハッフルパフに入れるほど人間として出来てない。未知数、というのが今のところの答えでしょうか。」
Aは言った。
正直、この先の動きを考えると入ると有利になる寮はあるが、それを言うつもりはない。
Aの性格を考えれば、スリザリンだろう。損得勘定ができ、狡猾で、冷静。しかし、それでは少々動きにくい。血筋的にも拒否されるはずだ。となると残るのは3つの寮だが、グリフィンドールは難しそうだし、英雄と同じではこれもまた動きにくい。
「スネイプ先生は望んでこの寮に入ったんですか？」
Aは聞き返した。
「左様。」
スネイプは頷いた。純血主義に今も傾倒しているかは謎だが、愛寮心はあるらしい。
「お茶とお菓子、ご馳走様でした。お邪魔しました。」
Aは部屋を出た。
このお茶(という名の面談)はAの勝利で幕を閉じた。
別に勝負したわけではないが、おそらくスネイプよりAの方が欲しかった情報を仕入れることができただろう。
Aが知りたかったのは、物語では語られないスネイプだ。
スネイプの本質は義理堅い。普段の対応ほど冷血なわけではなく、情もある。ただ、もともと情を表面化させるのが苦手であり、加え立場が立場なのでさらに抑圧されているだけだ。
おそらく、Aの方が人間として本質的には冷たいだろう。ただ、環境的に敵を作ると致命的なので、比較的愛想良くするだけである。
スネイプとAはある意味正反対だ。そこをどう歩調を合わせるかが肝となる。
Aは未来を考えてため息をついたのだった。
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灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» （続きです）声が一瞬出なくなったのを表現したくて「〜！」の形にしました。読み返して気が変わったら採用するかもです。コメントありがとうございます！ (2017年9月8日 22時) (
レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
灰墨空百(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 同じ番号があるのは、お話が続いているからです。計画性がないがゆえに1話に入りきらなかったんです。誤解を与えて申し訳ないです。円を描いたのは、なんとなくでどうしたらブラックホールを出現させることができるかわかったからです。超感覚として説明してます。 (2017年9月8日 22時) (レス) id: 2f65ae6162 (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - 「〜！菊月！」スネイプにユキは手で円を書く。スネイプ先生は円を書けといってないのに、円を書いたのですか？それと、こじんてきにですが、「きっ、菊月！」の方がいいかも！ (2017年9月3日 19時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
妖狐の巴衛(プロフ) - #4の表記が二つあります。 (2017年9月3日 18時) (レス) id: 2ff3e29f1d (このIDを非表示/違反報告)
ちあぴー - ここまで緻密なハリポタの物語は初めて読みました。読んでいて本当に楽しかったです。ありがとうございました！ (2017年8月24日 13時) (レス) id: 7643a06046 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒 | 作成日時：2017年5月4日 18時
