Gray.150 ページ50
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「え、あ、え」
戸惑って離れようとする彼女の手を押さえて指に着いた蜂蜜まで残さず舐める。
舌が指に触れる度に小さく涎の音を立て、そしていつの間にか抵抗する威力を失ってただビクビクと体を跳ねさせるAの反応が可愛くてそれを必要以上に続けてから口を離した。
「何、指舐められたくらいで感じちゃってんの?」
「…」
勢いよく俺から手を離し、俺の言葉にAは頬を赤く染めて俺を睨むと一度肩を殴ってから俺を通り過ぎざま言った。
「バカ。最低。嫌い。手洗ってくる!」
「へいへい」
そう言ってAは一度トイレの方に行ってしまった。
少なくとも顔と言葉はあっていない。
戸惑いはあっても嫌いは嘘だろう。
まぁ、手は洗ってくるんだろうけれど。
「お前、マネージャーにまで手を出すなよ」
一連の流れを見ていたらしい望月が呆れたようにため息を吐いた。
「それ去年石田にも言われたわ」
「来年にも言われなければいいな新キャプテンに」
「ウザ」
「っつーかそろそろ奪えよ、様子見長すぎ」
様子見でも何でもなく、ただやられてるだけなのだが
望月はそれを知ってか知らずかAに似たような期待を瞳に宿らせて俺の頭をバシバシと叩いた。
コイツまだ去年の事、根に持ってんだろと思いつつ
シッシと手の甲で望月を追い払うと俺はベンチに置かれた蜂蜜レモンをもう一つ食べてから立ち上がり、伸びをした。
ちょっとは元気が出た。
期待の答え方なんて忘れてしまったけれど
Aやコイツらの期待になら答えられる気がする。
「…ふぅ」
落ち着いた。
「望月」
「キャプテンか先輩かさんをつけろ」
「…望月サン」
「何だ」
「次のマーク、変わってくんね」
「…。…やっとか」
遅ぇよと言わんばかりにため息をつくと望月は了承してくれた。
望月と俺のマークを入れ替える。
つまりダイキが責めるのを遠くからゆっくり眺められるポジション。
それは遠回しに負け役になれと言ったものだが
まあ、去年よりは嫌そうな顔はしてなかった。
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ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» てめぇも灰崎も◯ね、カッコよくねぇわあんな奴。キセキバカにすんなよ。クソバカ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - こんな奴が叩かれないのが私は本当にムカつく (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 何がリク主の特権だよ!!作者はテメェの道具じゃねぇんだよ!!テメェにリクする資格とかねぇわそんなに見たけりゃ自分で書けば?マリイミリイキモい◯ねウザい自分の意見を押し通すな。迷惑考えろ!二度とリクすんな!占ツクやめろ、ネットやめろ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» キャラに様つける奴キモいし、ウザい。氏ね (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 吐き気するなら見るなよwwwバカ発言多くて草 (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由麻 | 作成日時:2018年12月26日 1時