Gray.144 ページ44
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向かい合う視線から以前のような敵意は消えていた。
相手を探るような睨みではなく強い相手と戦う事を心から楽しんでいるようなそんな表情。
そして、その視線は審判の持つボールへと向けられた。
ジャンプボールは、俺とダイキだった。
「それでは、これから桐皇学園対福田総合の試合を開始します!」
審判が笛を咥えて、ボールを俺らの眼前で一度止める。
そして、ボールを高くあげると同時に審判が笛を鳴らし、コートから出た。
───どちらもほぼ同時のタイミングで地面を蹴り、腕を伸ばす。
どちらのジャンプのタイミングも伸ばした腕も可は有れど不可は無い。
俺もダイキも全力を出せていた。
ただ、一つだけ不可があるとすれば
俺の方が、ダイキより身長が低いって事だ。
「ッチ」
身長ってのは練習云々でどうにかなるものでは無くて
前回と打って変わったジャンプボールのメンツだが、桐皇に取られる結果となった。
が、ここからは前回と違った。
ボールが渡った四番の若松はドリブルをしながら攻めあぐねていた。
チラチラと俺の様子を見ているのを見る限り下手なドリブル一つ奪われかねないと警戒しているんだろう。
俺のマークについているダイキもチラチラと若松がどう動くか見ている。
俺は、チラッと桜井のマークに着く望月に視線を送った。
望月は俺の視線に気付くと、桜井に視線を向け
そして、桜井が一瞬、視線を望月から動かした隙に一気に若松の元へと走り出した。
───そのタイミングで俺もダイキの横を抜けて一気に走り出す。
「なっ…」
望月が若松からボールを奪った時、若松からそんな声が漏れたのが微かに聞き取れた。
どうやら予想外の動きだったらしい。
「ハッ、お前、昔みたいだな」
「ああ?」
俺と併走するダイキの声に一瞬だけそっちを見ると
むしろそう言うお前こそ昔みたいな顔じゃねぇか、と言いたくなった。
俺は、ボールを持ってゴールまでドリブルしている望月を見ると
一気に自陣のゴールに走り出す。
俺の奇怪な動きに、ダイキ含め桐皇の奴らや観客の視線が俺に移るのが分かった。
ダイキもまだ飽きずに俺をマークしてる。
「おいおい、ダイキ」
自陣ゴール前で立ち止まり桐皇のゴールを指差す。
「ボール持ってる奴をマークしねぇとか、アホじゃね?」
ハッとしたダイキ含め桐皇の奴らがゴールを見る
望月はもうシュート体勢に入っている。
今更、止めに行っても間に合わない。
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ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» てめぇも灰崎も◯ね、カッコよくねぇわあんな奴。キセキバカにすんなよ。クソバカ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - こんな奴が叩かれないのが私は本当にムカつく (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 何がリク主の特権だよ!!作者はテメェの道具じゃねぇんだよ!!テメェにリクする資格とかねぇわそんなに見たけりゃ自分で書けば?マリイミリイキモい◯ねウザい自分の意見を押し通すな。迷惑考えろ!二度とリクすんな!占ツクやめろ、ネットやめろ (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» キャラに様つける奴キモいし、ウザい。氏ね (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
ゴキブリと化した灰崎 - ミリイ(灰崎信者)さん» 吐き気するなら見るなよwwwバカ発言多くて草 (2020年4月1日 21時) (レス) id: 5f9510aad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:由麻 | 作成日時:2018年12月26日 1時