【黒バス】灰色。【灰崎祥吾】3

Gray.130 ページ30

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「いっ…てぇ」



病室から堂々出たらどうせ看護師とかに見つかるのが目に見えていた。

下にクッションになりそうな庭木のツツジ?があったものだから良かれと思って三階から飛び降りてみたけれど

細かな枝の集まりというものはかなりの威力になる訳で。

挙句着地を失敗したせいで服を貫通した枝によって恐らく服の中は切り傷だらけな気がする。



「ったく、何で俺がこんな事…」



けど今回は、やらなきゃ虹村に殺されるとかって理由じゃなく
傷だらけの俺の脚は俺の意思で確かに地面を踏んで

そしてまるで人でも殺した後かのように
まだ下がり切ってない熱を感じなから

全速力で走って病院を後にした。






───さて、何で俺は寮に着くまで気づかなかったのか。

まず寮の表門が番号入れて開けるような最新のヤツで開けられない。てか男子寮は普通の鍵のドアなのに格差が凄い。
次に、開いてたとしてAの部屋の場所を覚えてない。


来た意味ねェ。


けれど何もしないのも癪で、出ないだろうと思いながら俺はスマホを取り出した。

俺から電話する事とかほとんど無いしアイツからもバッシュ買った時以来か、忘れた。
そんくらい電話なんてしてない。

しかもタダでさえ気まずいってのに


アホだな、俺。



寮の塀に寄りかかってスマホを耳に当てると初期設定から変えてない着信音が無機質に鳴っては消えるを何度か繰り返した。

やっぱ、出ねぇか。


スマホを耳から離して終了ボタンをタッチするとポケットにスマホをしまう。

そして、来た道を引き返そうと身体を後ろに向けた時。



「…何やってんの」


「…!」



左手にスマホ、右手に買い物袋を持ったAが睨むように俺を見上げていた。

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