The 3rd man(anijya) ページ9
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▽【確信に近いもの】続編
「へえ、兄者がねえ」
「意外ですか？」
俺の前でくすくすと笑うのは、兄者の彼女。
カフェで待ち合わせしているという彼女に偶然鉢合わせた俺は、これはチャンスとばかりに、相席よろしいですか、お嬢さん？と声をかけた。Aちゃんはびっくりしながらも、兄者さんもそう言って前に座ったんです、なんて言うもんだから俺の好奇心が疼いてしまって、これは何としてでも馴れ初めを聞かなければとよくわからない謎の使命感に駆られた。
「そう言えばその日は立て込んでたような気がすんなあ。兄者がナンパとか、柄じゃないし」
「でしょうね。でも2回目に会った時はとてもスマートでしたよ？」
「ふ、っ…ごめ、それちょっと面白れーわ」
たまたま向かいに座って、たまたま監督の本を読んでいた彼女。普段の兄者なら、お！とは思っても声は掛けないだろう。疲れがそうさせたのか、だとしたら幸運にも程かあるんじゃないか。ふふふ、と笑うAちゃんに、この先もどうか兄者をよろしくねと心の中で願った。
「……なーにが面白いって？」
「ぐえ、っ」
「兄者さん、早かったですね」
背後から頭部をガシッと掴まれる。不機嫌そうな声と共に指先にぎりぎりっと力を入れられて、変な声が漏れた。こりゃ、早くもお出ましだ。
「おい、おっつん…人の女に何してんだ」
「そーんな不機嫌そうな顔するなら待たせんじゃないよ」
「…悪い」
さ、邪魔者は退散しないとね！ごゆっくり〜！と手をひらひらさせて去っていくおついちさんに、やられた…と頭を抱える兄者さん。待たせて悪かったな、と言う彼に楽しかったですよ？と意地悪をひとつ。
「……嫌な奴と言えない所が悔しい」
「嫉妬しました？」
「………嫉妬しました」
The 3rd man
(もしもし、おついちさん？)
(あら弟者君、どったの)
(兄者に電話したら切られた)
(あのねえ、弟者君？今電話する方が野暮ってもんだよ)
.
滲み出る保護者感。
作者です。いつもお読み頂きありがとうございます。ちゃんとハマったのはここ最近なので、いろいろネタとか…こんなんじゃないとか…あるかと思いますが、暖かい目で見ていただければと思います。年の瀬、迫ってまいりましたね。明けるまでにどれくらい書けるかな。これからも御三方…プラス1名が健やかでありますように。最近は緑青ピンク隠しキャラさんにもハマってしまっていて、書いてしまいそうで怖い。
2019.11.28
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tokiiiii(プロフ) - くるるさん» ありがとうございます…！！天を仰ぐ…？！えっ、嬉しいです…！最後のお話は書くのに割と難航した記憶があるので、そう言っていただけると安心します。また更新する予定ですので、しばしお待ち下さいね！ (2022年1月28日 16時) (
レス) id: 1acee39900 (このIDを非表示/違反報告)
くるる(プロフ) - 最後が最高すぎて天を仰ぎました😇ありがとうございます！！ (2022年1月26日 22時) (レス) @page18 id: 71ebbc7488 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - tokiiiiiさん» きゅんとするような感じが疲れ吹き飛びます！生み出すのがお上手;)更新楽しみにしてます！ (2021年5月31日 19時) (レス) id: d07ed213ea (このIDを非表示/違反報告)
tokiiiii(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます！え！嬉しい！告白は初めてです、嬉しい照れちゃう〜！！ (2021年5月31日 7時) (レス) id: 459624764f (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 全部いいです。全部好き！好きすぎてtokiさんが好きです！！！ (2021年5月30日 23時) (レス) id: d07ed213ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：toki | 作成日時：2019年11月20日 22時
