No.58 ページ10
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━━━━━っ！
「Aちゃん！！」
名前を呼ばれてハッとなり顔を上げる
視界には不安そうに私を見てくる店長とバイト先の先輩が映りこんだ
「大丈夫？顔真っ青だよ？具合悪い？」
『え？あ…いや…大丈夫です。この所暑くなってきたんでボーッとしちゃったのかな…？』
誤魔化す様に笑うと、店長は不安そうに
「まぁ…無理もないよ。まさかあの子が…。あの日から日数は経っていないのに…。今日は帰りな。無理はしちゃいけないよ。」
そう言ってくる。先輩もその方がいいですねと不安そうに言った。
大丈夫ですから！と言ったものの、店長に押し切られて、今日フルで入っていたシフトだが、途中で帰らされ、明日も本来入っていたのだが、お休みにさせられてしまった。
仕方なく作業着から私服に着替え、まだ明るい道をゆっくり歩いた。
過去を少し遡る
あの事件から2日は経った。蓮さんは警察に捕まり、録音していたボイスレコーダーも証拠として提出。そして事の一端を店長に伝えると悲しい顔で私を心配してくれた。
と同時に怒られた。無理はすんなと。
だけど別にその事にショックを受けている訳では無い。私がここまで悩ませている事…
『殺される…。』
そう、あの日私は推しである安室透を反射的に間違って蹴った挙句、本人に殴られ覚悟で目を閉じて歯を食いしばったが、フェイントをかけられ、私の唇にキスをするという。
キスをされた私は動揺、混乱、罪悪感、恐怖、羞恥心、心做しの感動で頭の中が渋滞を起こし、目の前が真っ暗になった。
そして目を開けると自分の部屋の天井が目に入る。
あれは夢かな。夢だと思おうかと現実逃避をしながらリビングにふらついた足で向かうと、何故か半裸と濡れた髪で私の家のキッチンで料理をしている安室透がいた
「あ、起きたんですね。おはようございます。」と笑顔で当たり前の様に言ってくるこの人に私は衝撃と破壊力に力尽きた。
濡れた髪とまだ完全に拭ききっていない微かに濡れている裸体の色気の攻撃力、笑顔の攻撃力アップ、何で我が家にいるのか、昨日のキスは何なのか、聞きたい事がありすぎて混乱も追加される。私を殺すのには申し分なかった。
私はその場にしゃがみこんで頭を抱えると
「聞きたい事…色々あるでしょう？僕もですよ。どうです？食材勝手に使わせて貰いましたが朝食作りました。一緒にどうですか？」
耳元でそう言われる。オーバーキルしてきやがった。私は、はい…と弱々しく返事をした。
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シルフィ - No.54の最後の行のナイフがナイスになってます。 (2月18日 14時) (
レス) @page6 id: 5010c918af (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - からかい上手〜の作品からこの物語に辿り着きました。またテイストが違う作品でワクワクしています、ありがとうございます！ (2022年6月26日 11時) (レス) @page12 id: 39ab5c799a (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 続き読みたいです (2022年4月26日 6時) (レス) @page13 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにこ(プロフ) - 続きがものすごく気になります…！更新待ってます！ (2019年12月16日 22時) (レス) id: 9f72c6a150 (このIDを非表示/違反報告)
nana317(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！すごく続きが気になります！更新待ってます！！ (2019年11月7日 15時) (レス) id: 07d89329e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アレン
| 作成日時：2018年5月21日 11時
