Prolog ~名探偵コナン~

あの日の後悔【赤井秀一】 ページ8

※ここに出てくる組織は黒の組織とは無関係です。







『___ｯぶない！！！！』



今からちょうど一年前。そう叫んで俺を助け、崖の下へと落ちていったA。


今でも鮮明に覚えている。



……あの日は犯罪組織を壊滅させる手筈で。
いつも通り、狙撃で援護する事になっていた。



いつもは建物の屋上から狙撃するものの、今回ばかりは最適な建物が見つからず崖の上からの狙撃となった。




そして作戦決行日。…組織の顔の知られていない下っ端がいることに誰一人として気づいていなかった。




さらにスコープを除く俺の後ろに近づく足音に気づくことが出来なかった。




気づいた時にはもう遅く、俺はソイツに突き落とされていた。


…いや、突き落とされかけたんだ。



『___ｯぶない！！！！』



そんな、なんで。なんでAがここに居るんだ。下にいるはずじゃなかったのか。



俺はﾀﾋぬかもしれないというのにそんなことを考えていた。


…そして、それは一瞬だった。


Aは相手の左右の足を正確に撃ち抜きながら俺の腕を引っ張りあげ、自分が落ちていった。



__目に涙を浮かべながら、儚い笑顔と共に。




何故、相手の動きがわかったのか。

何故、俺を助けて犠牲になったのか。


……何故、あんなに切ない笑顔を浮かべて行ったのか。





分からないことだらけだった。




…ただ一つ、分かったのは。



俺が、Aを好きだったことだけだ。



そんな、今更気づいたって遅いのにな、と自嘲気味に笑った。





…Aはﾀﾋ亡したことになっているが、実はまだ遺体は見つかっていない。





___もしかして、そんな希望を持って俺は今日もA捜す。

赤ちゃん。【赤井秀一】→←元彼と親友【赤井秀一】

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