検索窓
今日:20 hit、昨日:40 hit、合計:136,601 hit

5 ページ49

「っ、だから俺は落ち込んで……っ」

ねぇよ!!と来るのはわかっていたので、小さく笑顔を浮かべて、「だよね。」と遮る。
ポンと背中を叩き、小走りでコートから離れながら。振り向きざまに、影山くんに拳を突き出した。

「今のところ、まだシビれてないよ!」

なんていうのは大嘘なのだけど。
影山くんは私の言葉にムッスリと顔を顰めて、それでも、相手コートに目線を移しつつ、私に向かって小さく拳を掲げた。
菅原先輩の横に戻り、再びボールを抱える。
大丈夫。きっと上手くいく。そう信じて、じっとコートに視線を注いだ。

「絶対できる……」

チャンスは、チャンスを掴む努力をした人に訪れる。影山くんは間違いなく、その努力に見合っているから。
キャプテンのサーブが入り、レシーブがあがる。その瞬間……

「──!よしっ!」

息つくまもない、綺麗な速攻が、決まった。

「〜〜っ!!すごい!すごいすごい!!」

声にならない声が出て、嬉しさが抑えきれずに飛び跳ねた。
あんな速い速攻、みたことない。少なくとも、私のバレー人生の中では。
本当に出来てしまった。出来ると信じていたけれど、でも、予想以上の威力で。

「!」

その時、影山くんがふとこっちを見た。
口元には笑みを浮かべて、ギュッと握った拳を私へと掲げる。
どうだ。とでも言うようなその表情に、思わず私は笑ってしまった。
そうだね。これはもう、認めざるを得ない。

「最高にシビれた!」

私たちのバレーは、まだまだこれから進化していくんだとわかった。
同時にあのスパイクを拾えたら、どれだけ楽しいだろうと、そう思った自分も、確かにいた。
身体中がムズムズする。バレーがしたい。ボールに触れたい。今すぐにでも、走り出したい。
そんな思いを全部詰め込んで、私も拳を作り、影山くんに向かって、一直線に伸ばした。

この小説の続きへ→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
223人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 影山飛雄 , HQ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しおり(プロフ) - 夢主さん» ありがとうございます🥲あともう少しで完結なので楽しく書き進めたいと思います☺️ (2022年10月24日 8時) (レス) id: e0e048fd48 (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - しおりさん» 笑笑ほんとに面白いです!めっちゃ今読みあさってます! (2022年10月23日 22時) (レス) id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 夢主さん» はっ……どう、でしょう……? (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
夢主(プロフ) - ちゃんと小学バレーローテしてないって事理解してるあたりバレーしてますよね😎 (2022年10月23日 21時) (レス) @page1 id: e4dd308597 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しおり | 作者ホームページ:http://nanos.jp/amakusa40/  
作成日時:2021年8月24日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。