緊急事態(第二話) ページ29
敬人side((クロスロードネタバレ注意です!))
佐賀「朔間が母ちゃんに見える」
凛月「涙のママは俺だから…♪」
敬人「……肝が冷えたぞ」
凛月「それに関してはごめんね?
敬人「全く……お前ら兄弟は…。本当に度し難い。俺は帰るからな」
また無駄な仕事で時間を無駄にした…。
とにかく、はやく帰ろう。鞄を生徒会室に置いてきてしまったからそれを回収しなければ。
そんなことを考えながら保健室を出ようとした。
凛月「ん〜…でもあの場にいたのが副会長で良かったと思う。ありがとね」
敬人「……おい、」
凛月「ん?」
敬人「貴様の妹を怖がらせたのは謝罪する。…明日、詳しい話を聞くから覚悟しておくように」
保健室を出る前に振り返ってそれだけ吐き捨てておいた。
最後に
凛月「………それは怖いなぁ」
と言いながらも楽しそうな、受けて立つ、とでも言いたげな表情が見えた。
それにしても………。
朔間さんは何で俺に妹の存在を話してくれなかったのだろう。
かつては同じユニットだった。
一緒に今じゃ考えられないような事も沢山した。
俺がそんなに信用できなかったのか。
単に力不足だったのか。
今となっては確かめる方法など無いに等しい。
憧れたあの破天荒で、やりたい放題で、いざという時1番頼りになった背中に背を向けたのは自分自身だ。
…………昔からそうそう人だった。
肝心な部分は話してくれずに、1人で解決するアメコミさながらの天才ヒーロー。
自分がそんな人とは真逆の人間だというのは分かっていた。
努力でしか自分を高められない凡人。
才能はない。ただの、人間。
そんなどうしようもない事実が―
“不思議な感情”が廊下を進む足を早くした。
敬人「…………………昔…?」
ふと、思い出した。
そういえば…
墓の周りに集まって知恵比べをした頃、ほんの少しの間だけ朔間さんそっくりの子どもがいた。
墓の上で寝ていたから何となく不気味だった。
朔間さんの話を聴く訳でも、知恵を借りようともしない。唯、いるだけの存在だった。
なのに、人を惹き付ける人間離れした美しさがあった。
1度だけ話しかけた記憶がうっすらと残っているが、どんな話をしたかまでは覚えていない。
と言うか、もう名前も顔も思い出せない。
ただそんな子どもがいた、程度の記憶しか残っていない。
敬人「…………………………………まさか、な」
自分の建てた仮説があまりにも突飛で馬鹿げていたので鼻で笑ってみた。
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悠希(プロフ) - 吹雪さん» 吹雪様嬉しいコメントありがとうございます〜!(´;ω;`)凛月くんカッコイイですよね……!!分かります!これからも更新頑張らせていただくので、この作品をよろしくお願いします (2017年8月19日 9時) (レス) id: 01b9eac922 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - いつも楽しみに更新を待っています。大変だとは思いますが頑張って下さいね。凛月君が大好きなのでこの小説は嬉しいです。 (2017年8月17日 8時) (レス) id: 4c6b2a6bdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠希 | 作成日時:2017年8月3日 22時