【愛されたい】審神者なんてやらなきゃよかった。【審神者】

後悔した３１ ページ35

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久しぶりの温もり。


俺が、求めてた温もりが
今俺自身に向けられていた。



薬「...狡い人だな。アンタは」

そんな声が耳元で発せられる。


あ「っ、やげ______」


正直、どうしたらいいのか分からなかった。


俺は今、確かに

薬研という刀剣男士に


＿＿＿＿＿抱きしめられているんだから。




あ「きゅ、急に、どうしたんだ？」

噛むのも、口篭るのも仕方ないだろう。

だって、こんなこと初めてだし


どうしたらいいかわかんないし


頭がもうオーバーヒートしている。


あ「も、もしかしたら俺、なんか
したのか？」

嬉しいのか、不安なのか
よく分からない気持ちが胸の中で蠢いた。


でも、嫌な感じはしなかった。

だって


薬「俺っちは、大将のことが好きなんだよ。
ただ、それだけさ。」



背中に回されてる腕は

ぎゅっと俺の服を握ってて


そして、俺に向けられる笑顔は



薬「だから、そんな顔しないでくれや」



愛で、満ち溢れていたから。


あ「〜っ、！」




声が、出てこなくなって

喉元でつっかえた。



.



ただ、



.



薬「それが、俺っちの...

＿＿＿＿薬研藤四郎が、選んだ道なんだ。」




泣きそうな声だけが、耳に響いた。

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