嘘 ページ3
貴方side
「はぁ…………」
…彼の人はまた帰ってこないのだろうか…そんなことを考えながら今晩の夕食を作る。
彼の人が夜も帰ってこなくなり朝方に帰ってくる…そうなったのは3ヶ月ほど前の事…理由は一つだ…恐らく浮気だろう…相手も私もマフィアのため朝帰りなんていくらでもある…だが今回ばかりは違うのだ…全く帰ってこない。
「はぁ…………」
そんなことを考えているうちに何度目かの溜息が出た。
「今日もこれ無駄になっちゃうのかな……」
考え事をしているうちに出来上がっていた1人では食べるには多すぎる料理を見て、呟く。
冷めたら冷蔵庫の中に食べない分はラップにかけて置いておこう……そんな事を考えていると扉が開く音がした…相手が帰ってきたのかなと思いながら玄関へと向かう。
「おかえりなさい……今日は早かったんですね」
作り物のような笑顔を貼り付けて私は旦那である相手…中原中也にそう声をかけた。
中也「嗚呼……けど直ぐ出るわ、仕事がまだ残ってンだよ……」
「そうですか……夕食も食べて行かないですか?」
中也「いらねぇ……外で買って食うし、時間無ぇからな」
「そですか…………」
そう言いながら自室へと向かう貴方、久しぶりにこんな時間に帰ってきた貴方からは私の知らない女物の香水の匂いがした…。
相手の言葉とその匂いで酷く胸が痛みその場で泣きそうだが何とか耐えて笑顔で取り繕う。
暫くすると着替えた貴方が自室から出てきた。
中也「悪ィな…最近ちょっと仕事が立て込んでて忙しいんだよ………」
「お仕事なら仕方ないですよ…それに貴方は幹部忙しいのは重々承知していますから」
私の機嫌でも伺っているのかそれともバレないようにの言い訳なのか貴方がそんな事を言ってきた。
中也「手前との時間が取れ無いのは俺も嫌なんだけどな……」
「私も嫌だし寂しいですけど大丈夫です。お仕事頑張ってください……」
思ってもいないくせによくそんな事が言えるよね……本当は別れたいって言いたいんでしょ?
そんなこと言えるはずもなく嘘偽りの言葉を相手に向ける。
中也「嗚呼、行ってくるわ……」
そう言うと貴方は私の額に優しくキスを落としそっと2回頭をポンポンと優しく撫でると出ていった……。
「何で……っ……何でもう好きでもないくせにそんな事をするのよっ……」
貴方が出ていったのを見送ると涙が溢れ出した…貴方は私を愛していないのに如何、優しくなんてするの?
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どっかのゴミ - ここで終わらせんですか? (2021年2月22日 21時) (レス) id: bce23f4963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜音 | 作成日時:2019年7月14日 2時