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廊下を歩いていると、目の前にAがたっていた。

呼びかけてみると、そこには酷く苦しそうな顔をした彼女の姿があった。

何かに怯えるように震える彼女。
ここにいたらこいつは壊れてしまう。

そう思い彼女を外に連れ出した。

震える彼女を抱きしめると。
壊れたように涙を流す。

辛かったんだ。

考えてみればすぐわかる。
先輩に襲われ、周りの視線に怯え、大好きだった友達に無視され嫌われ。

あまりに可哀想すぎる。

俺を大嫌いだと叫ぶAの目には「助けて」と訴えてるようにしか感じられなくて。

そんな今が最大のチャンスだと気づく。

これを逃せば、彼女が俺に意識をすることはもう無いといってもいいだろう。

だから、どれだけ最低でも、どれだけ残酷でも、俺にはひとつの選択肢しかなかった。




「なんで」と泣きつく彼女の頬を手に取る。



「Aが好きだから」





あぁ、もう戻れない。

◆→←◇



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作者名:みみみみみ | 作成日時:2019年4月8日 18時

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