あんたの笑顔が。【越前リョーマ】 (ページ11)

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竜崎がAに近づかなくなってから、何日たっただろうか。

彼女から竜崎桜乃を遠ざけることは出来た。

それでも、俺に振り向いてくれることはなかった。

ならどうすればいい？

目の前を先輩が通り過ぎる。

あの日、彼女に手紙を渡そうとしたやつだった。

小さいメモ用紙に告白文を書くと、先輩に渡す。

「先輩、これAAから、放課後裏庭に来てくださいって言ってたっすよ」

本当に最低なことを思いつくものだ。

校舎裏に向かうと、そこはもう地獄のようだった。
彼女のシャツはダメにされていて、下着もずれ下がっている。簡単に言えばそう、襲われていた。

こう仕向けたのは俺のはずなのに頭に血が上る。

そうして先輩を思いっきりぶん殴った。
そいつは俺の事を舐め腐っていたため、直ぐに倒すことが出来た。

そのあと彼女を家まで送る。

彼女は無理に笑っていた。
そんな姿に心を痛める。
その場にいるのが嫌になり、来た道を戻る。

「助けてくれてありがとう！」

ありがとうなんて言われる筋合いなんてなかった。俺のせいでこうなってるとも知らないで…。

なのにその言葉が嬉しくて、やっと俺の事を見てくれた気がして、つい口元が緩んでしまう。手でそれを覆いながら帰った。