【文スト】少し長めの短編集。

3.ツンツン彼氏【中原中也】 ページ3

私が邪魔だった。迷惑かけてた。そんなこと知らずに1人だけ舞い上がってたのかな。恥ずかしい。






迷惑___仕事に身が入らない______






少し傷ついている自分がいる。元々告白だって私からしたんだし振り向いてもらえなくてもいいっていう前提で付き合ってもらったんだ。







当然だよね。そうなっちゃっても。気を遣わせてたのかな。申し訳ないな。







「A。」


『中也さん。邪魔してたのならごめんなさい。これ、報告書です。出来上がったので首領にお願いします。今日は失礼します。』






中也さんの言葉も何も聞かず私は書類を半ば強引に押し付けてはその場をあとにした。







上手く笑えたかな。困らせてないかな。







帰って、彼のために数日分のご飯を作って、いつ帰ってくるのかもわからない彼に置き手紙をしては数日分の荷物をまとめて家を出る。






ポートマフィア御用達のホテルへと泊まる。とりあえずはここで寝泊まりしようと思う。







一段落したらまた家に戻ろうとは思うがもう二度と帰れないのかもしれない。






____

「くそ。」






初めてあいつが泣くところをみた。しかも泣かせてしまったのは他でもない俺のせい。






引き止めようと名前を呼ぶが聞こえていないらしく逃げ出す彼女を追いかけ呼び止めた。







「A。」


『中也さん。邪魔してたのならごめんなさい。これ、報告書です。出来上がったので首領にお願いします。今日は失礼します。』







書類を押し付けられ受け取ると、彼女の手は少し小刻みに震えていた。






そのまま俺は少しの間そこに突っ立っていた。






「これ、中也。何をしているのじゃ。」





姐さんが俺を呼んだ。





『姐さん。』


「Aが辛そうな顔をして帰ったが何かあったのか？」






俺が無言で少し考えているような表情をしていたのを察してくれた姐さんがこう言った







「Aは中也にとってなくてはならない存在なのを認識していないようじゃ。Aを他の男に取られてもいいのか？」


『駄目です。』



「それなら早く伝えて来るといい。」






姐さんは微笑むと踵を返して去っていった。









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