看病イベント編-3 ページ44
夢を見る。
『ねえ、兄さん』
そう話しかければ、あの人は嬉しそうにこちらを振り向いた。それを見て私も笑う。
振り向いた途端に固まった。
貴方は誰？
いや、違う。
薄ぼんやりとした意識が浮上する。
いつもの天井だった。私の、円堂莉子の部屋の。
変な夢を見た。起き上がって水を飲む。
普段普通の夢なんてものは見ないから、珍しい感覚だった。
ベッドの傍の体温計を取ると、37.6度。立派な熱である。熱が下がるまでどれほどかかるだろうか。リウスは数日はかかると言っていたけれど、一刻も早く体調を回復させたい。
あと筋肉痛が尋常じゃなく痛い。足なんかは片方、ファイアートルネードを放ったおかげで腫れてしまっている。湿布を貼って誤魔化しているけども。
ぼんやりとしていると、下から声が母さんのかかった。
「リコー！チームメイトの人がお見舞いに来てくれたわよー！」
目を瞬かせる。外を見るとまだ明るい。こんな時間に誰だろう。しばらく待っていたら、控えめなノックの音が3回聞こえた。
「鬼道だ、入っていいか？」
「えっ！」
きどっ鬼道さん？！なんで？！何でじゃないなお見舞いか！あれっ部屋綺麗にしてたっけというか私こんなパジャマ姿で失礼ではいやそもそも扉開けなくちゃな？！
私は慌ててベッドから出て扉を開けようとしたところで、ベッドから足を下に着けた途端に、かくりと力が抜ける。そのまま床へと大きな音を立てて転んでしまった。
右足そういえばファイアートルネードの後遺症の方〜〜！！
「お、おい、入るぞ！どうした？！」
扉を開けた音がして、驚いた様子の鬼道さんが私の側にしゃがんだ。私は彼を見上げて乾いた笑いを溢すしかない。
「‥‥無理をするな。今は病人だろう。立てるか？怪我は？」
大きくため息を吐いた彼は、私に手を貸す。上体を起こした私は、その動作だけでも上半身の筋肉が悲鳴をあげてしまう。思わず痛みが顔に出てしまった。
「怪我は、ないです」
「‥‥」
本当か？と言わんばかりだが、本当なんです。え、足はノーカン？でいいよね？
「じっとしていろ」
彼は私の背中に手を回し、膝裏に手を回してそのまま掬い上げるように持ち上げる。驚いて彼の首に手を回した。
「いっ‥‥あのこっここ、この体勢はちょっと！」
「下手に動くな、辛いのなら」
「う」
ぼっと顔が赤くなった。これ、世に言うお姫様抱っこじゃないか！
後書き
ノルマ達成┗( ･´ｰ･｀)┛
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黒牡丹(プロフ) - 焔さん» 好みと言っていただけて本当に嬉しかったです。書けないことになれば、とにかく頭の中に思い描いていたネタだけでも箇条書きにしてでも投稿はするつもりです。嬉しく優しいお言葉、本当にありがとうございます。 (2020年7月23日 12時) (
レス) id: 51616291f0 (このIDを非表示/違反報告)
焔 - 黒牡丹さん» レスありがとうございます。黒牡丹様が帰ってきてくださって、今の心境を教えてくださっただけでも嬉しいです。ありがとうございます。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 3ce071c9ce (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 焔さん» コメントありがとうございます。お話の続きを私自身が書くのは無理だと悟ってしまいました、申し訳ありません。なんとかして、彼女の物語を完結させたいと思います。どうか、よろしくお願いします。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 夜さん» コメントありがとうございます。何度もコメントしてくださっていたのに、本当に申し訳ありません。私の手から離れるかもしれませんが、それでも一度思い描いた物語として皆様の元に届けたいと思っています。読んで頂いて、本当にありがとうございます。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます。こんな形でのコメント返信申し訳ありません。せめて、物語として皆様の目に触れるようにしたいと思います。 (2020年7月13日 12時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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