47話: 兄妹 ページ48
「帝国は実力主義だ。帝国でならお前は存分にその力を発揮できる。お前のような人材を手放すのには惜しい」
「改めて言おう。帝国に、来ないか？」
・・・よし、決めた。
もう一度、心から頭を下げる。
「お断り、します」
沈黙が辺りを包む。
そのまま数秒頭を下げ続ける。
内心は恥ずかしさやら申し訳なさやらで心臓がバックバクである。
穴があったら入りたいってこういうことを言うんだろう。
頭を上げるタイミングを見計らっていると、上から声が降ってきた。
「俺たちのことが信用できないか？」
「えっ」
何でそうなった。
「・・・信用出来る出来ないの話じゃありません。私は・・・」
自分でもあまり把握できていなかった部分を、ゆっくりと飲み込んで行く。
慎重に言葉を選んで、紡いで行く。
しっかりと、目を見て。
「兄が、サッカーのチームのキャプテンをやっているんです。私は、兄の役に立ちたい」
兄、の部分で鬼道さんの眉が動いた。
「私にとって、兄は恩人なんです。だから、私はあの人のチームに入って、戦っていきたい」
「だから、ごめんなさい。貴方のチームに入ることは出来ません」
沈黙が落ちる。
そうしていると、鬼道さんが口を開いた。
「お前には・・・兄が、居るのか」
「え？ああ、はい」
予想していなかった質問に、少し反応が遅れた。
え、そっち？
「そうか・・・兄妹の為、か・・・」
そこまで言って、黙り込む鬼道さんを見て、ようやく察した。
ーーーー音無春奈。
鬼道有人の妹であり、雷門サッカー部のマネージャー。
情報面でなんか助けていた、ような気がする。
なんかしらの事情があって妹と連絡してなくて、色々拗れてた記憶がある。
・・・重ねているんだろうか、この人は。
しばらく考え込んでいたが、ハッとこちらを見て、
「すまない。少し考えごとをしていた」
と言った。
「別に強制的に入れるつもりでは無かった。あの金色の瞳は気になるがな」
「あー・・・」
「今は黒色だが、その瞳が片方金色だったのは見間違いようがない」
うわ天帝の目の説明どうしよう。
後書き
大分間が空いて、すいませんでした(ジャンピング土下座)
主人公には雷門で頑張っていってもらいます。
帝国側を期待した人すいません。
天帝の目についてもあまり掘り下げないかも？
いやだって炎出したり水出したり分身したりする世界ですよ？
なら天帝の目ぐらい普通普通。
ちょっと未来見えたりするだけですしおすし。
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黒牡丹(プロフ) - カノンさん» 遅れてすみません、コメントありがとうございました。鬼道さんは私もとても大好きです。なんとかくっつくところまでは。 (2020年8月11日 22時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - はじめまして！私も鬼道さんが大好きです！続きが楽しみです！ (2019年9月25日 10時) (レス) id: e557ed7412 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 美怜さん» 行間ですか……。やっぱり結構開けた方が読みやすいですか。ちょっと書き方見直してみますね。表現力があると言ってもらえてとても嬉しいです。こうやっての人からの評価って貴重なので、今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました！ (2019年5月21日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 美怜さん» ほむほむ、成る程…コメントありがとうございます！設定は割と初期段階で決まってて簡単に決めたので、そう言われると何だか不思議な気持ちですねえ。実は他の小説ってあまり読んでないので、設定の良し悪しあんまり分からないのでそう言ってもらえるとありがたいです。 (2019年5月21日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
美怜(プロフ) - 2つ目は…そうですね、行の間が少し狭いと感じました…。少々狭くて読みづらいと私は個人的に感じました。ですが、文の表現力はとてもあったと思うので、行を開ければとてもいい作品だと思います！！ (2019年5月20日 21時) (レス) id: 249a1a4653 (このIDを非表示/違反報告)
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