33話: 視線 ページ34
一斉に、私に視線が集まった。
私といえば、言われた言葉に硬直する他なかった。
(な ん で だ)
いやいやいやおかしいだろう確かにこの大会はアマチュアで公式じゃないから女子参加可能ではあるだろうがだからといって私みたいな普段全く外へ出ない運動神経が底辺のもやしがいきなりコートに立たされて「サッカーやろうぜ！」とか言い出したらイナイレファンにぶん殴られるぞというより私がいの一番にそいつを殴るだって兄さんの名言をそんなやつが使うとか無いわーじゃあ私が私を殴るのか何それ物理的に無理じゃねいやちょっと待てそもそも何の話してたんだっけ？
この間僅か約0.02秒。
無駄な高性能な頭はこんな風に使いたくは無かった。
冷や汗を垂らしている間に感じた。
私に向けられる感情は、期待、不安、希望、そしてーーーー敵意だ。
今まで自分達が努力してきて獲得したチームの居場所を、あっさりサッカーをしてすらいない人間がかっさらっていったのだ。
彼等も必死に頑張ってサッカーをやってきた。
私が入る事はそれを・・・踏み躙る事ではないかと。
「悪いが、円堂さん。司令塔としてチームに入ってくれ。大丈夫だ。円堂さんが動かなくても十人でのゲームメイクは出来るだろう？」
データの魔女なんだから、と後につづいた気がした。今日ほど自分の異名を煩わしく思った日はない。
命令口調なのが監督の必死さを伺える。
本当に、本当に・・・
「・・・・分かり、ました。精一杯やらせていただきます。」
「すまないな、円堂さん。よーし皆！円堂さんの指示に従って戦ってくれ！事故に遭ったあいつの為にも、精一杯戦おう！」
出した声は、掠れていなかっただろうか。
乾笑いしている監督を見て、戸惑いながらも試合の準備をし始める選手達。
それでも、向けられる敵意に変わりは無くて、監督が部屋からでていったあとも、空気は重い。
・・・・戦術を、立てなければ。
選手にも説明と覚えてもらうことがたくさんある。
私は、向けられる視線に気付かないふりをして、試合の準備を着々と進めた。
【世界ってのはどこまで腐っているんだ】
【こんな世界なんて、いっそ】
【なにもかも全部壊して、やり直しを】
【誰か、お願い。】
【あの子達を・・・助けて・・・・】
【私に、その資格は・・・】
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黒牡丹(プロフ) - カノンさん» 遅れてすみません、コメントありがとうございました。鬼道さんは私もとても大好きです。なんとかくっつくところまでは。 (2020年8月11日 22時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - はじめまして！私も鬼道さんが大好きです！続きが楽しみです！ (2019年9月25日 10時) (レス) id: e557ed7412 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 美怜さん» 行間ですか……。やっぱり結構開けた方が読みやすいですか。ちょっと書き方見直してみますね。表現力があると言ってもらえてとても嬉しいです。こうやっての人からの評価って貴重なので、今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました！ (2019年5月21日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
黒牡丹(プロフ) - 美怜さん» ほむほむ、成る程…コメントありがとうございます！設定は割と初期段階で決まってて簡単に決めたので、そう言われると何だか不思議な気持ちですねえ。実は他の小説ってあまり読んでないので、設定の良し悪しあんまり分からないのでそう言ってもらえるとありがたいです。 (2019年5月21日 22時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
美怜(プロフ) - 2つ目は…そうですね、行の間が少し狭いと感じました…。少々狭くて読みづらいと私は個人的に感じました。ですが、文の表現力はとてもあったと思うので、行を開ければとてもいい作品だと思います！！ (2019年5月20日 21時) (レス) id: 249a1a4653 (このIDを非表示/違反報告)
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