32.幼馴染の考え ページ34
顔を上げると、頰を抑えた俊と、顔面蒼白で、平手打ちをしたと思われる奏太がいた。
「……帰る」
俊を睨みつけて、奏太はそのまま出て行った。俊は止めたりはせず、頰を抑えてただただ俯いていた。
……その表情は、すごく悲しそうに見えた。
正直、まだ気持ちも状況も追いつけてない。けど、やっぱり俊の言ったことを奏太がやったことは間違い無いのかな……あんなに怒ってたし……
……でも、やっぱり奏太はやってないと信じたい気持ちもある。けど状況からして俊の言ったことは合ってると、受け入れるべきだという気持ちもあって……
……何を考えても否定してばかりで、俺はどうしたらいいかわからなくなった。
わからない苛立ちがついつい表に出て、俺は頭をガリガリと掻く。
俺が思わず、「どうすればいいの……」と、呟くと、俊はそれに答えるかのように口を開いた。さっきどれほどの力で叩かれたのか……その頬は赤くなっていた。
「優人。奏太、追いかけなくていいのか?」
「……追いかけなくていいのって、お前がとんでもないこと言い出すから奏太、帰ったんだよ?」
「……わかってる」
……もし俊の言ったことが本当なら、俺は聞けてよかったと思う。でも、なんで今更俊はあんなことを暴露したんだろう。俊が話したのは、夕闇の件以外、全部小学校のはずだ。
俊は何を考えてるんだろう。俊は、俺の知らない奏太を、どれだけ知ってるんだろう。俺は、今まで奏太の何を見てたのかな。
「……なぁ、俊。俺が知らない奏太のこと、全部教えてよ」
「……長くなるぞ」
「大丈夫。全部話して」
俺が俊に話すように促すと、俊は散らかったゲームを隅にやり、机のコーヒーを一口飲んでから、口を開いた。
「……奏太は」
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くろヰ(プロフ) - みるくプリンさん» 返信、ものすごく遅れてしまって申し訳ありませんm(_ _)m一気読みしてくださってありがとうございます!しばらく続くと思うので待っていただけると嬉しいです! (2019年10月13日 23時) (レス) id: 6ac2c500cb (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして!すごく面白くて一気読みしました。更新楽しみに待ってますねっ(*^^*) (2019年8月13日 6時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろヰ(プロフ) - 霧雨量 文月さん» コメントありがとうございます!今後もお話に色々詰め込む予定なので楽しみにしていてください笑 更新頑張ります! (2019年7月19日 20時) (レス) id: 55eb3eeca7 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨量 文月 - めっちゃ面白いです!!これからの展開がとっても気になって仕方がありません!!更新頑張ってください!! (2019年7月19日 5時) (レス) id: 1995ceb10a (このIDを非表示/違反報告)
くろヰ(プロフ) - タチアナさん» コメントありがとうございます!面白いと思ってもらえるなんて...!すごく嬉しいです!更新頑張りますね(*^_^*) (2019年7月12日 22時) (レス) id: 55eb3eeca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろヰ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hagemaru101/
作成日時:2019年6月24日 0時