* ページ20
+
晟「
楓「血鬼術 暗雪ノ虚空」
全員の視界に雪と薙刀が映る。
刹那、猗窩座の腕は切り払われ、煉獄の技を舞い上がる雪が掻き消した。
しんと静まり返った空間に、タッという軽い着地音がやけに大きく響きわたる。
炭治郎が目を向けると、猗窩座の向こうに薙刀を構えた桃色の髪の少女。
そして反対側の少し離れた所には、対の扇を手にしているくすんだ金髪の少年が立っていた。
晟「あかにぃ、駄目だよ。あまり人を殺さないでって言ったよね」
猗「あのお方の命令で逆らえなかったんだ。
それに杏寿郎が...」
晟「人のせいにしないの!
無惨さんのことは優さんと陽くんが何とかしてくれるって言ってたよ。だからその人を殺さないで」
猗「わかった...」
炭,煉「...は?」
すんなりと殺さないことを了承した猗窩座に、思わずすっとぼけた声が出る煉獄と炭治郎。
何がどうしてこうなった。
楓「大丈夫...ではなさそうですね」
煉「っ!!」
いつの間にか間近に来ていた少年...楓を見て正気に戻ったのか、煉獄が再び刀を持つ手に力を入れる。
しかし、炭治郎の「待って下さい!」という叫びに手を止めた。
炭「その“2人”からは害意の匂いがしません!
さっきも技を止めるだけだったし、攻撃をするそぶりもしない。何より...2人からは禰豆子と同じ匂いがします。
恐らく人を喰っていません!」
煉獄は炭治郎と楓を見てひとつため息をつき、日輪刀から手を放す。
一方楓は、感情を全く写していない虹色の目を少しだけ細めた。
楓「貴方は、俺たちを“2体”ではなく“2人”と数えてくれるんですね...」
細めた、とはいっても一瞬だけで、すぐにまた元の無表情に戻る。
そしておもむろに、開いていた扇を閉じて煉獄の額に当てた。
煉「...ッ!!??」
払いのけようとするも、何故か体が微動だにしない。
楓「血鬼術 仁寂なる灯光」
冷たかったはずの扇が少し温かくなり、淡い光が灯る。
それに伴って煉獄の傷が塞がり始めた。
楓「俺の “鬼としての回復力” を少しだけ分けました。これにより一時的に、鬼並みの回復力が手に入ります。
安心して下さい、鬼化することはありませんから」
扇を放すと、光も消える。すっかり元の銀水色に戻った扇を、楓は腰に差した。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
零(プロフ) - ケチャップさん» コメント有難う御座います!これからもどんどん辛辣になっていきます(笑)。ちょくちょく覗いていただけたら嬉しいです! (2019年12月12日 6時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ - 妹とかが辛辣なのめっちゃ面白い (2019年12月10日 17時) (レス) id: 0399b1d0a7 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 2人で頑張りましょう! 体調には気を付けて........! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
冷月 - こんにちは。作者の冷月です!今日から私も更新がんばります!!!! (2019年11月30日 3時) (レス) id: 0628a6c5b2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 申し遅れました、零って書いてありますがこのはです。 (2019年11月20日 20時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冷月、このは | 作成日時:2019年11月7日 15時