半天狗兄妹のとある1日 ページ17
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深い森を抜けた先。
人気の無い静かな広間に話し声が響いていた。
愛「わぁ、凄く高い......」
空「怖くはないか?」
上弦の肆・半天狗の分身の一体である空喜がその妹、愛奈を片腕に座らせて飛んでいたのだ。
愛「怖くはないから大丈夫...。星がキラキラしててとっても綺麗だね...!」
空「そうであろう?愛奈にも一度見せたかったのじゃ」
雲の上に出ているので、普段より多くの星を見ることができる。
愛奈の桃色の瞳にも星が映って煌めいていた。
愛「空喜兄さんはいつもこんな風景を見てるの...?いいなぁ...」
空「愛奈の頼みとあらばいつでも見せてよるぞ。愛奈は羽根のように軽いからのぉ」
愛「本当...?」
空「儂が嘘をつくと思うか?」
愛「ううん、兄さん達はそんなことしない...!」
言葉を交わしながら、他の分身体の所へと向かった。
愛「ただいま...!」
可「空の旅は楽しかったか?」
積「己のみ愛奈と過ごしおって...」
愛「ごめんね兄さん...後で、一緒に遊ぼ...?今は...凄く...眠い、から....」
哀「おっと」
突然ふらりと倒れ込んだ愛奈を、すかさず哀絶が受けとめる。
暫くすると規則的な寝息が聞こえてきて、こわばった空気がやっと戻った。
空「今日は珍しくはしゃいでおったからな。いつもより眠くなったのだろう。休ませてやれ」
積「休ませるのは構わぬ、休息は大切だ。 ....しかし哀絶、お前は何故膝枕などしているのだ。儂がやりたかった...」
空喜が話している間に、哀絶は愛奈を抱き上げて座り膝枕をしていたのだ。
哀「別に良いではないか...。それにしても愛奈はやはり人を喰った方が良いと思うぞ。これでは哀しくなる程に軽い...」
可「儂もそう思って以前人間をすすめたんじゃが、喰わないの一点張りでの...。
しかし、菓子を食っている愛奈はとても楽しそうだし、睡眠というものも心地いいそうだ。儂らにそれを止める権利がある訳でも無し」
積「今は見守るのが最善か...」
愛「...ん...にぃ、さ......」
可愛らしい寝言に、一同の頬が思わず緩む。
いつの時代の兄もやはり、下の妹弟が大切なものだ。そこに種族は関係ない。
半天狗兄妹は今日も過保護だ。
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零(プロフ) - ケチャップさん» コメント有難う御座います!これからもどんどん辛辣になっていきます(笑)。ちょくちょく覗いていただけたら嬉しいです! (2019年12月12日 6時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
ケチャップ - 妹とかが辛辣なのめっちゃ面白い (2019年12月10日 17時) (レス) id: 0399b1d0a7 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 2人で頑張りましょう! 体調には気を付けて........! (2019年11月30日 7時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
冷月 - こんにちは。作者の冷月です!今日から私も更新がんばります!!!! (2019年11月30日 3時) (レス) id: 0628a6c5b2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 申し遅れました、零って書いてありますがこのはです。 (2019年11月20日 20時) (レス) id: 6fa178c93b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷月、このは | 作成日時:2019年11月7日 15時