続き ページ14
｢そのシャーペン貸してくれる？二年の後半の問題と答えをインプットしないと｣
あ、あの訳分からないの全部二年の問題だったんだ。
私は再びベッドから起き上がり彼の方へ近づき彼の手にシャーペンを乗せる。すると指が彼の手のひらに触れた瞬間彼の手はぴくりと動き機能を停止する。
そして数秒後ぐらいにまた手が跳ね、慌てた様子でパソコンを見つめ直す。この姿が実は結構好きだったりする。
｢あ、後これ。君の提出しないと行けない勉強ノートと問題集。明日先生に提出しておいて｣
しばらくのクールダウン後に再び視線を私に向けると彼は手に置かれた山積みのノートを私に触れないようにしながら恐る恐る渡す。急に腕にくるあまたのノートの重みで腕の骨がギシッと音を立てた気がして私は急いでベッドの上へノートを落とすように置く。
このノートも問題集も全てイデアが私の字に出来る限り似させて書いたものだった。
｢ねえ、イデアはなんでここまでしてくれるの？君には得がないじゃん。むしろ自分のしたいこともできないだろうし損ばっかでしょ？｣
｢君が幸せに笑っていられるなら僕は別に……｣
まるでどこかの宗教のような発言に自然と唇から乾いた笑みがこぼれる。
｢私は君の教祖じゃないよ？｣
笑いながら彼に向けた冗談に彼は陸に打ち上げられた魚のように体を大きく跳ねらせる。そしてほとんど聞こえない声でそうだね。とつぶいた。その声はまるで何かを隠すような含みのある声で私は首を右にかしげる。
｢そ、そう言えば今日はこれからオルトのメンテナンスがあるんだった。ノートもシャーペンも全て持ってくから部屋に戻ってくれない？｣
突然椅子から立ち上がった彼は私の背中をタブレットで押す。
普段は私が満足するまでずっと部屋に居させてくれるイデアが珍しい。と思いつつ、私は彼の思うがままに部屋を出て扉を締める。
きっと何か彼の地雷を踏み抜いたのだろう,地雷ネタなんてみんなあるんだから。
少ししっくりしない自分の感情に必死に言い訳をしながらポケットに入ってたイヤホンで音楽を聞きつつ、薄暗い廊下を1人寂しく歩くのだった。
ラッキーパーソン
エース・トラッポラ
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セイラ - さいこうです。好きですっっっっっっ、うちもイデア推し (5月13日 21時) (
レス) id: 0a2eee8487 (このIDを非表示/違反報告)
ブライド - 突然失礼します！リクエストしていいですか？オルト君のヤンデレをお願いします… (2020年6月12日 19時) (レス) id: 3d8c2e90f5 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧皐月(プロフ) - 多毛林さん» ありがとうございます！先程続編を作成させました！応援して下さり本当にありがとうございます！書いてる身としてとても励まされます！これからも読んでいて楽しいと思えるような作品が作れるよう頑張ります！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 9e4a1e2f47 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧皐月(プロフ) - ラムさん» ありがとうございます！これからも皆さんが読んでいて楽しいと思えるような作品が作れるよう頑張ります！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: 9e4a1e2f47 (このIDを非表示/違反報告)
多毛林 - 同じく続編楽しみにしています。これからも更新頑張って下さい応援してます！ (2020年4月19日 1時) (レス) id: cbaa155769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜霧皐月 | 作成日時：2020年3月26日 22時
