【文スト】 光の少年と闇の少女 弐

三十八話、一筋の光 ページ5

鏡花「…貴方は姐様をどうしたいの？」

敦「え？」

鏡花の質問に敦は首を傾げた

鏡花「会って話してみたいだけなのか、姐様も探偵社に入れたいのか、このまま放っておくか…貴方はどうしたいの？」

敦「僕は…」

敦は黙り込んで考えた。だが数刻考えても、明確な答えが出てこない

鏡花「貴方と姐様は其処が違う」

鏡花の呟きに敦が顔を上げた

鏡花「以前私は貴方と姐様が少し似てると言ったけど、貴方達は其処、行動力が全く似てない。貴方は優柔不断すぎる。逆に姐様は決めれば一直線に進んで行く。それが例え、どんなに険しくても…私をポートマフィアから逃してくれた時もそう」

鏡花はお茶を一口飲むと

鏡花「私をポートマフィアから逃した事が知られれば姐様は最悪死刑だった。でも、あの人の地位は高い。そう簡単に殺されない。でも、姐様はそんな事を厭わずに私の為に動いてくれた。私の為に、命を賭けてくれた。貴方は、姐様の為に命を賭けられるの？」

その問いに敦は再び押し黙る。だが、すぐに顔を上げた

敦「僕は、一回彼女と話してみたい。どうして、孤児院から居なくなったのか、どうして芥川に拾われたのか…僕は、あの子の事を何も知らないから」

鏡花は敦の答えに頷いた

鏡花「私も貴方が姐様と会う手伝いをする。姐様には幸せになって欲しい」

その時の鏡花の笑顔は、今までに見た事が無いほど、優しさに満ちた物だった

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