変わらない記憶でも。 (ページ13)

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Yuto's Past

中｢……あれ、ここって…………？｣

『ちょっと裕翔聞いてるのー？』

俺の隣にそう言って座っているのは、俺が以前お付き合いしていた彼女だ。

中｢あっ、うん。それで？｣

『でさ、そこで偶然同級生とばったり会っちゃって！』

……そっか。

………………本当に過去に戻ったんだ。

見覚えのあるインテリアの数々、そして机の上に置かれたお揃いのグラス。

間違いない、ここは彼女の家だ。

そこでふと、過去に戻る前に装着させられた時計を見ると既に4分の1の時間が経過していた。

っ、やばっ…………。

中｢あっ、あのさ。｣

『……ん？』

中｢いつもいつも俺のワガママに付き合わせちゃってごめん。

なんでも受け入れてあげられる彼氏じゃなくてごめん。

理想の彼氏になってあげられなくてごめん。｣

『急にどうしたの？』

中｢でも。

君と一緒にいられた時間は間違いなく楽しかったし、かけがえのないものだった。

今、一緒にいるのは俺じゃないけど君が幸せならそれでいいから。

君が幸せでいてくれることが俺の1番の幸せだから……。｣

言葉に詰まり、拳を握りしめる。

でも、その拳を優しく包み込む華奢な手。

『何変なこと言ってんの。

裕翔の彼女は今もこれからも私だよ？』

…………違う、違うんだよ。

あの後、俺らは些細なことですれ違っちゃって。

最終的に君は………………。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿別の人を選んだ。

あぁ、自分がこんなに未練タラタラの男だなんて思いもしなかったのに。

『あ、裕翔が変なこと言い出すときは大抵お腹すいてる時だもんね。

お昼の残りに唐揚げあったからレンチンしてくるね。

ちょっと待ってて？』

そう言って彼女がキッチンに向かったタイミングで腕時計を見ると、まもなく時計の針が一周するところだった。